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2011年5月 9日 (月)

「死んでたまるか」と叫んでいたのに!

 2010年の12月28日、銀座のキャバレー「白いばら」で、団鬼六さんは自伝エッセイ『死んでたまるか』(講談社刊、本体価格1500円)の出版を祝う会を開き、元気な姿を見せてくれた。

 11月6日、僕の『やらないか』(彩流社刊、本体価格1800円)の出版を祝う会に出席してくれた団鬼六さん。スピーチをお願いしてしまった。

 2009年の6月に「白いばら」で催した『裸の女房』(彩流社刊、本体価格2000円)の出版を祝う会のときも、奥様と一緒に団鬼六さんは出席してスピーチをしてくれた。

 団さんとお付き合いは長く。昭和50年代に僕が経営していた「伊藤文学の談話室・祭」での講演会にお招きしたのが最初だった。

 1931年生まれの団鬼六さんと僕は、同じ年齢で79歳、同じ歳の知人が亡くなるというのはつらいものだ。僕も今は何とか元気だけど、そろそろかなと思ってしまう。

 2012年5月6日金曜日の午後2時頃、団鬼六さんが亡くなったと友人が電話をかけて知らせてくれた。

 『死んでたまるか』の第19話「瘋天老人」と題する79歳、平成22年のエッセイを読み直してみた。

 「別に自慢するわけではないが、私は身体障害者1級を獲得しているのである。この障害者手帳を提示すれば、新幹線だってかなりの割引料金で利用できるし、タクシーなら月3万円くらいの無料切符が配布されるので、老人としてはその便利さ加減に喜んでいる」とある。

 僕は到底、団さんにはかなわない。身体障害者手帳は4級で最低だ。こんなこと比べても自慢にもならないが、都営のバス、地下鉄はタダ、タクシーは1割引、高速道路は半額、自動車税の4万3000円は免除。

 膝に人口膝を入れたぐらいで、自分では身体障害者とは思ってもいないのに。

 団さんは腎臓が悪く、その他の五臓六腑は健在なので、人工透析を医師に勧められて、透析を始めて3年、すっかり健康を取り戻し、あれほど、死にたがっていたのがウソのようにかき消えて、命の大切さを思い知るようになっていた。

 「やむを得ず透析を導入し、3年間、無事生き長らえてきた人間に、やっぱりお前は死んだ方がいいと、今度はガンという鉄槌を下してくる天は、何という残虐な真似をしてくるものかと腹も立ってきた」

 食道ガンということで、おそらく今年に入って大手術を受けたのだろう。ついに帰らぬ人となってしまった。

 『死んでたまるか』の、若い頃からの団さんの生きてきた道をみていると、やりたいことをやってきた団さんって幸せな人だったと思う。「しかし、老人になったとはいえ、私のように悟りきれない人間は、いろいろなところに惑わしいところが出現して、チャンスがあればすぐに若い女性に近づこうとし、その点では20代の若い青年と何の変わりもないところがある」

 団鬼六さんは、80歳を目の前にしても、青年のままの気持ちを持ち続けてきた。僕も団さんのようにまだまだ若い女性と恋をしたいものだ。最後に団さんはこう書いている。

 「そう簡単に死ぬものか、と最近の私は開き直りを見せている。その齢で笑われそうだが、まだ、やらねばならぬ事、書かねばならぬ事がこの世にたっぷり残されていると思うからだ」

 僕はあの世とか霊魂なんてものを信じないが、団さんは僕の心の中に何かを残してくれたことは確かだ。

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本に残されたサインとスピーチをしてくれた団さん。

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