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2011年7月11日 (月)

『愛の処刑』を映画化して、一通だけきた手紙

 ぼくはこの頃、テレビの「時代劇専門チャンネル」にはまりこんでいる。今のテレビの番組がくだらないものばかりなので、年配者の方で、ぼくと同じように昔の時代劇を楽しんでいる方が多いに違いない。
 映画が衰退してきて、そのスタッフの人たちでテレビの世界へ入っていった人も多かったのでは。それだけに見応えのある作品が多い。
 時代は江戸時代のものが多いが、切腹のシーンがよく出てくる。三島由紀夫さんの『憂国』の下敷きになったと言われている『アドニス』の別冊に発表された『愛の処刑』も、切腹がテーマになっている。
 東北に切腹マニアの方がいて、切腹をテーマにした小説も書かれていたが、恐らく三島さんと交流があったに違いない。

 ぼくは三島さんが書かれたと言われていた『愛の処刑』を映画化してしまったのだ。すぐに資料がみつからないので、監督のお名前も忘れているが、カメラは一流のカメラマンだったので、すばらしい映画を作ることができた。
 千葉の地名もすぐに思い出せないが、古い網元の家をお借りして、3日間で作りあげてしまったが、500万投資して、元がとれたのかどうかも忘れてしまったが、今考えてもすごいことをやりとげたものだ。
 ひとりだけ手紙をくれた方がいた。東北の切腹マニアの方だ。40数年にして、初めて伊藤さんひとりに私の心の中をお話ししてしまいました。と、手紙の最後に書かれている。

 「(前略)切腹の何かにかくまで惹かれるのかと申しますと、自分の死を自分で見つめながら、自分の手で、自分の腹を切ってゆくという、よほどの覚悟がなければできない、その精神と行為の潔さに、何ともいえぬ美を感じるのです。
 そして、その人物が若く美しい設定ともなれば、最高のエクスタシーを感じる訳です。
 (中略)
 本当に腹を切れば、そのような絵空事の美しさとは、ぜんぜん違うすさまじいものとは分っていても、やはり絵というか、私の脳裏に描かれる切腹は、心を惹きつけて離さない、恐ろしいほどの世界として私を捉えています。
 子供の頃から切腹に関心があり、以来、その思いは年代によって強弱はあってもずっと消えることなく、現在まで続いております。このことは私の心の中にだけ秘めていることで、誰にも明かしたことはりません。
 世間では、私はごくあたり前の常識的な人間です。ですから、この心の秘密は死ぬまで誰にも明かさずに済ますつもりで今日までおりました。私が買い求めた本とか、描きためた絵などは、ある時期がきたら、ひそかに処分するつもりです。
 しかし、貴志を拝見して、私のような人間も世の中にいるということを、お話するのも何かのご参考になればという思いと、また私自身、何十年もこだわり続けてきた心を、それを理解して下さる方に、一回だけ明かすのも、今日まで生きてきた甲斐なのかと思うようになり、かなりの決心をして、この手紙を書きました。」

 映画が封切りされて一万人近い人たちが見てくれ、映画を見ての感想を寄せてくれた方がふたり、『愛の処刑』に関しての手紙はこの方だけでした。
 ぼくは同性愛は異常ではないということを叫び続けてきましたが、この映画では異常であるがすばらしい。異常であれば異常であるほど、この映画は光り輝いてくるのだ。
 三島由紀夫さん、すごい人だ。一度お会いしたかったけれど、雑誌を出すのが一年おそかった。しかし、きっとよろこんでくれているに違いない。

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