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2011年9月10日 (土)

人をホメるということ

 「アキバに新風『ほめ喫茶』」「あなたのイイトコ見つけてあげる」という見出しで、2011年8月31日の「東京新聞」の朝刊に、こんな記事が載っていた。
 秋葉原には、いろんなカフエがあることは知ってはいたが、ぼくはまだ訪れたことはない。「ほめ喫茶」これはいいアイデアで当たるぞと思った。
 
 「入り口のドアを開け、受付に置いてあるベルを鳴らす。出迎えにきた女性店員が笑顔で「ベルの持ち方が渋いですね~。」早速ほめられた。」
 
 同店は整体師の原克也さん(30)が、今年1月に開いた。大学で学んだ心理学の知識を生かし、整体の利用客からの悩み相談にも乗ってきた。「長い人生の中でもほめられる機会は案外少ない。「自分はこんなにすてきな人間なんだ」と感じてもらえるお店を開きたかったと振り返る。
 
 確かにほめられるということは、うれしいことだし、相手が尊敬している人だと、自信を持たせてくれる。
 
 ぼくが駒沢大学の国文科の学生だった頃の話だ。万葉学者の森本治吉先生の教えを受けて、『白路』という短歌雑誌を主宰する先生から作歌を勉強していた。
 國學院大学、東大、早稲田、中央大学など作歌をしている学生が集まって、「大学歌人会」を結成し、東大の山上会議所で、歌会が開かれたことがあった。
 
 その頃の駒大は3流大学で、駒大からはぼくひとりの参加で、劣等感のかたまりだった。その会でぼくの作品を東大国文科の3年ほど先輩の中西進さん(各大学の教授を経て、現在は82歳の高齢でもお元気で奈良県立万葉文化館の館長を務めておられ、今や万葉研究の権威になっている)が、ぼくの作品をべたほめしてくれた。うれしかった。このことがぼくの人生を変えたともいえる。大いに自信を持つことができた。
 
 それから後に國學院大学の阿部正路君(のちに教授になられたが、早死にしてしまった)と組んで、アイデアマンのぼくは、次々といろんな会合も企画し、成功させた。
 手のひらにのるような1冊10円の豆歌集もぼくのアイデアで、最初に出したぼくの歌集『渦』は好評で、千部完売してしまった。
 その『渦』の序文を中西進さんが寄せてくれた。ほめてくれていることは確かなのだが頭が悪いぼくには難解で理解できない。
 
 最近になってそのことで手紙を出したら、もう一度序文を書き直して、ぼくにも分かるような文章で送ってくれた。半世紀も経つというのに、そのときの『渦』を持っていてくれたのだ。
 再婚したときには仲人もひき受けてくれたし、次男の結婚式にも、ご夫婦で出席してくれた。
 1972年に毎日新聞社から発行された『万葉の心』という本の著者の口絵写真は、なんとぼくが撮影したものだ。あとがきの最後に「写真は友人の伊藤文學君がとってくれた。うれしいことだ。」と書いてくれている。
 今見てもいい写真で、着物姿でよくとれているぼくの傑作だ。中西さんは京都に住んでいるから、ほとんどお会いする機会はないが、心は通じている。
 
 ぼくはどこのお店で食事をしても、店員の笑顔をほめたり、店内に飾ってあるお花をほめたり、おいしかったと必ずほめてあげている。
 秋葉原の「ほめ喫茶」を訪ねたら、女店員がぼくのことをどうほめてくれるだろうか。
 「頭がはげてよく光っていますね」というか、「お年のわりにお若いですね」なんてお世辞を言われたら、コーヒーをおかわりしてしまうかも。
 
 
002
鎌倉の大佛さんの前に立つ伊藤文學(右側)

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