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2011年11月14日 (月)

やらないか! のヤマジュン人気は、まだ吹き荒れる!

 『ウホッ! いい男たち』が、復刊ドットコムから出版されてから、もう4,5年は経っている。

 ¥4800(+税)の高い本が、1万部近くも売れ続けているなんて信じられない。
 Tシャツが作られたり、タオルになったり、ハンカチにヤマジュンの「やらないか!」のイラストが使われている。
 今度は「カードスリーブ」などという、聞いたこともないものに、使いたいという申し入れだ。
 カードを保存するために、入れる袋なのだそうだ。子供だけでなく、若者までもが必要としている商品とか。
 いろんなカードをコレクションしたり、ゲームとして、友人たちと遊ぶための大事なものらしい。
 
 ぼくらの世代では、子供の遊びは限られていて、メンコとベエゴマぐらい。メンコの絵柄は、いろいろあったけれど、コレクションすることはなかった。
 小学4年生の孫に聞いたら、孫が通う小学校では、カードでゲームをしたりしている子はいないそうだ。
  
 カードスリーブを製作する会社は、おもちゃの会社だそうで、商品名は「俺たちの燃え★スリーブ第2弾・VOL・38『やらないか』」
18b
 株式会社・マイルストン
 神奈川県横浜市中区尾上町4―57・横浜尾上町ビル6F
 電話045―664―9271・FAX045―664―9277
 興味のある方はどこで売っているのか、聞いてみて下さい。小売価格は¥600だ。
 
 それにしても、ぼくの本、彩流社刊『やならいか! 『薔薇族』編集長による極私的ゲイ文化史論』(定価¥1800+税)は「やらないか!」人気に便乗して、カバアにヤマジュンのイラストを使って、早稲田大学教授の丹尾安典先生が「下北沢のオッチャンの新刊を推す」とまで、すばらしい序文を書いてくれているのに、なぜ本は売れないのだろうか。
 ブログに書いたものをまとめて本にするのでは、ブログを読めば、本を買ってまで読もうとはしないということか。
 
 東北のある街に住む青年から、はがきが舞いこんだ。このはがきを読んで、40年前に逆戻りしてしまったのかと思ったぐらいだ。
 このネットの時代に、『薔薇族』を読んでいた昔の読者のような悩みをかかえている人なんていない、そう考える反面、今でも地方に行けば、ひっそりと悩みながら暮らしている人もいるだろうと、考えてはいたが
 
「伊藤さん、はじめまして。ぼくは××市に住む30代の男性です。
 先日、伊藤さんの「『薔薇族』の人々・その素顔と舞台裏」(河出書房新社刊・定価¥2000+税・2006年・7月刊)という本を読んで、ショックを受けました。
 じつはぼくも女性に全く興味がなく、もしかして自分はホモなのでは? と、悩んでおりました。
 しかし、この本でホモの世界にも、すばらしい文化が存在していることを知り、ぼくが仮にホモでも、それほど悩む必要などないんだということを思い直しました。」
 
 本は売れないけれど、読んでくれた人には影響を与えているんだと実感して、ひとりでも、ふたりでもこうした人がいてくれたんだと、うれしい気持ちでいっぱいだ。
 日本は広いんだなと、思い知らされたような、今でも『薔薇族』に広告を出したいなんていう人もいたりして、不思議な気持にさせられてしまうこともある。
 
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コメント

伊藤文学さま、いつもブログを楽しみに読んでいる中野在住の組合員の一人です。
今回のブログを読んで、僭越ながら”ヤマジュン”という作家の立ち位置について、私なりの個人的な見解を述べてみたいと思います。
まずヤマジュンの希少性について。漫画というジャンルが大衆娯楽から趣味の娯楽へ変化を遂げている昨今、彼の真面目な漫画が現代のコアなファンの観点から観ると、シュールな脱力系ギャグ漫画として読めてしまうという事実。
典型的な七十年代風少女マンガの絵柄で”やらないか”とつぶやくキャラクター。これはマニアックな漫画ファンからすると、格好の笑えるネタ、であるわけです。なんたって他に同じテイストがありませんから。
恐らくヤマジュンファンの殆どは、ゆがんだパロディやキッチュなモノが大好きな腐女子(ボーイズラブ好きな女子)であって、真面目なゲイでは無いと思われます。
仮にゲイにファンがいたとしても、それはやはりヤマジュンの漫画をギャグとして読んでいる人たちであり、ヤマジュンの漫画から真面目なメッセージを受け取るとか、絵柄に真面目なファンがついてるとか、そういったものでは無いと思われます。
恐らく伊藤様が疑問に思っておられる事の原因はそのあたりに起因しているのでは?
エキセントリックなファンはつっこんだリアルなゲイ文化史には興味ないのかも知れません。
とはいえ、この不況下にマニアの間でそれだけの部数がはけてしまうのは凄いことなのですが。

投稿: 大樹 | 2011年11月18日 (金) 21時45分

はじめて書き込みさせていただきます。
御著『やらないか!』が売れ行き芳しくないとのこと、たいへん残念です。久々に読みごたえのある、素晴らしい本に出合えたと思っていますので、もし購入を迷っている人がいたらぜひ!薦めたい本だと思います。貧者の一投ですが、私はアマゾンから購入いたしました。地元の書店ではなかなか並ばない本でもネットでは簡単に買えるので、ありがたいものです。
読後にこちらのブログのあることを知り、こうして拝見しているわけですが、本を購入して損をしたとは決して思いません。目玉焼きと卵焼きと申しましょうか、同じ「玉子を焼いたもの」でも味わいはぜんぜん違っていると思うのですが、こういう感覚は本好きのマニアックなものなのか分かりません。
続けての勢いで、ヤマジュンさんの漫画も買いましたが、これも安くないながらも高いとは感じませんでした。今読んでも十分に面白い、むしろ、妙に規制を意識してか当たり障りのないものが多い今、なかなか出せない味があると思います。
マイノリティの声として、時代の証人として、ご本がもっと売れますように願っております。私も宣伝がんばります。

投稿: 辰巳 | 2011年11月14日 (月) 16時08分

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