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2011年12月19日 (月)

愛することにかわりはない!

 ぼくの『薔薇族』の相棒、今は亡き藤田竜君が、ひとりで企画を立て、編集もして、不定期で出版された『青年画報』は、週刊誌大で『薔薇族』の別冊として出されたものだ。
 昭和54年(1979年)に第1号が出て昭和56年(1980年)に第8号を出して廃刊になっている。
 定価は千円、写真もいいモデルを使って、今、アメリカで活躍している木村健二君、黒田清次君が見事に男を活写している。
 藤田竜君は、ゲイ雑誌に、ゲイの文化、芸術を注入した功労者と言えるだろう。その頃藤田竜君は、新宿2丁目に「ドラゴン」というゲイバアをやっていたが、「あとがき」に「ホモバアで、もうかるわけがない。ま、楽しみはいろんな人と話ができるというくらいのもので」と、こぼしているが、そんなに長くは続かなかったが、そこで知り合った、吉井進太さんという方を『青年画報』に起用している。
「現代男色短歌コレクション・サーディの薔薇」とタイトルにある。サーディとはペルシア3大詩人の一人で、美少年を讃えた『薔薇園』は有名だそうだ。
 万葉集のなかにも男同士の愛を歌った作品があるそうだが、吉井さんが選んだ作品の中には著名歌人の作品もあるが、あえて「読み人知らず」として紹介している。
 男同士の相聞歌があっても不思議なことではない。愛することにかわりはないのだから。
 
栗の花の香る小道を頬そめて一直線に少年が過ぐ
 
「栗の花」の匂いと、精液の匂いと、似かよっているというが、「一直線に少年が過ぐ」という表現は、性に目ざめた頃の純な少年を見事に表している。
 
酒飲みてたやすく君と抱き寝る君のポマードの香につつまれて
 
 レトロな感じのする歌だ。今どきの若者はポマードなどをべったりと髪につけないだろうが、昭和の時代の若者は、みんなポマードをつけていたものだ。
 
唇(くち)少しあけて電車待ちぬる若もの君のわきにわれ立つ

「唇少しあけて」というのは意味深だ。そばに立った男は、もう興奮して勃起しているのかも知れない。
 
妻を思へば涙ぐみつつ男抱くああ錯覚に燃え立ちにつつ
 
 吉井さんは、この作品にこう解説をつけている。「結婚はホモ・セクシュアルの魔道からの逃避だった。当然、最初から夫婦の仲はうまくいかなかった。妻が知っているかどうかは分からないが、何かがうまくいっていないこと、彼女にも分かっているらしい。気付かないわけがない。
 妻に知られても今は平気だが、子供にだけは知られたくない。考えただけでもゾッとする。」
 これは吉井さんの本音だろう。この時代のゲイは、女性と結婚しないわけにいかなかったのだ。どんなにつらかったことか。女性にとっても。
 
足跡を砂丘にのこし水夫去り耐えて晩夏の恋は終わりぬ
 
 吉井さんは、かなりのインテリで解説は難しい。男同士の相聞歌ばかりを集めた歌集があったら、読んでみたいものだ。
 
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第4回「伊藤文学と語る会」 
 
2月4日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出も自由です。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858
※テーマなしで自由に語り合います。どなた様もお気軽にお越しください。

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コメント

最近、ゲイでないにもかかわらずゲイビデオを見て
楽しむと言った人がいますがどう思いますか?

参考URL:http://www35.atwiki.jp/ikisugi/pages/1.html

投稿: yjsnpi | 2011年12月19日 (月) 16時28分

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