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2012年2月27日 (月)

上京してきた寺山修司君との、最初の出会い

49b_2 寺山修司君が青森の高校を卒業して、早稲田大学教育学部国文科に入学したのは、昭和29年(1954年)18歳のときだ。
 『短歌研究』の50首応募作品に投稿、編集長の中井英夫さんの目にとまり、「チェホフ祭(原題・父還せ)が特選となり、11月号巻頭に掲載され、歌壇にデビュー した。
 その頃、ぼくも都内の各大学の短歌を作歌する仲間を集めて、大学歌人会を結成し、わが家を事務所にして活動していた。
 すぐさま寺山修司君を招いて、「十代作品を批評する会」を共立女子大学桜友会館で開いたのだから、ぼくの企画力はすごいことだ。1954年12月11日と、下手くそな文字だが自分で書いて壁に貼ってあり、開催日まで記しているのだから……。

49a 前列の右から2番目が寺山君で、目をとじているのがぼくだ。東京に出てきた寺山君と最初に出会ったのがぼくで、この写真に写っている半数ぐらいの人が、この世にいない。
 中井英夫さんもゲイ。中井さんは『薔薇族』が1971年に創刊される19年も前に、会員制の『アドニス』というゲイ雑誌の2代目の編集長をされていた。
 のちに國學院大学教授になった阿部正路君と、高田馬場の寺山君の下宿を訪ねたことは覚えているが、何をしゃべったかは忘れてしまっている。
 その後、寺山君はネフローゼという病気を発病して、早稲田大学を中退してしまった。
 寺山君は昭和58年(1983年)、47歳という若さで、5月4日亡くなり、もう、29年にもなるが、寺山人気は衰えることがなく、今月も2作品が再演される。
 ぼくのファン(?)の福岡市に住む、水澤さち子さんの劇団仲間の桜井玲奈さんが、下北沢の「ザ・スズナリ」で公演される、寺山作品「田園に死す」に出演するので、劇場が近いこともあり、観劇に行こうと思っている。

 『薔薇族』のNo.126.83年7月号に寺山君への追悼のことばを載せている。タイトルは「寺山君、天国で『薔薇族』をゆっくりと読んでください」と。

 「寺山修司君、才人はなぜ早く逝ってしまうのだろう。47歳、あまりにも若すぎた。(中略)
 寺山君はその頃から頭の回転がよくて、なまっているが、ペラペラとしゃべり、とってもかなわないと思ったのはよく覚えている。
 2年前の秋に京都大学の大学祭に招かれて、ぼくと寺山君と、もうひとり心理学の女の先生とで、討論会みたいなことをやった。そのとき出会った寺山君の顔色は悪く、元気がまったくなかった。
 弁舌のさわやかさは、学生時代と少しも変わりはなかったが、ぼくがよくしゃべるものだから、ぼくに主役の座をくれたような気がした。ぼくをひきたててくれたのか。
 寺山君が何度も自分がホモじゃないということを強調するものだから、ぼくがあまりそうでないという人こそ、そうなのだと言ったら黙ってしまった。
 寺山君、からだに気をつけろよと、会が終わってから声をかけたが、肝臓が悪いという彼の丸い背中は寒々としていた。
 いつか渋谷の大盛堂書店で、『薔薇族』を買っている彼を見てしまったけれど、モデルが見つからないで困っていると言ったら、劇団員をさしむけてくれたり、50号記念号には「世界はおとうとのために」という詩を寄せてくれた。
 寺山修司君、天国で『薔薇族』をゆっくりと読んでください。少しはのんびりと休んでもらいたいものだ。」

 「書かなくとも、それはたしかに存在している」に始まる詩に、彼のサインはなかった。

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  第5回「伊藤文学と語る会」 
 
3月10日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出も自由です。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858
※テーマなしで自由に語り合います。ぜひ、お出かけを!
 
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