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2012年4月28日 (土)

読者にいやしの心をあたえた『薔薇族』

『薔薇族』の読者って、ロマンティックな人が多いから、詩の投稿も多かった。「薔薇詩集」と題した頁を作って載せている。

夕べの海に着いて
オートバイを浜辺において
僕は大きく息を吸う
サーフィンの帆の彩りが
沈みゆく太陽に光る
一時間もそうしていると
僕の気持ちはすっかりリフレッシュする
恋人とセックスした翌朝のように
僕の気持ちは充ち足りている

海に来るのが僕は好きだ
恋人に抱かれながら
口を吸われながら
ファルスが大きく硬くなりながら
少しずつ着ている物を脱がされながら
ふたりとも全裸になりながら
両手の指をやさしく肌に這わせながら
お互いの口から自然に声がもれながら
ファルスを喉の奥でこすりあいながら
聖液を飲みあいながら
果てあった後の安らぎを思うから
海に来るのが好きだ
海は僕の恋人
恋人よ
君は僕の海だ

『薔薇族』は、読者のいろんな思いを発散させる場になっていた。小説を書く人、エッセイを書く人、イラストを描く人、ゲイの人がそれらを発表する場がなかったのだから、多くの投稿が寄せられたのは、当然のことだろう。
 この詩は1991年の10月号に載せたものだが、その号の「編集室から」に、僕はこんなことを書いている。21年も前のことで、僕が59歳のときだから、まだまだ元気で、ライトバンの車に出来上がったばかりの『薔薇族』を重量オーバーになるくらいに満載して、上野をかわきりに、新橋、新宿、池袋と、ひとりで運転してポルノ・ショップなどにくばって歩いていた。

「5月に東京の大学を卒業した友人と、二人でディズニーランドで遊んだ翌日、新宿2丁目を案内してもらい、「ルミエール」や、「ブックスローズ」(今はない)などを見て回りました。もちろん昼間のことですが。
 二軒ともで、貴誌上でおなじみの文学氏が、各店に『薔薇族』を運搬しているのを見て、驚かされました。
 今の世の中、どこでも人手不足で大変なときですが……。そういう人々の努力で本ができ、その本によって多くの読者が支えられ、心の傷をいやしているのだと納得。
 今までは目に見えなかった物、事、人などを少しかいま見たような気がしました。
 出版にたずさわっている、さまざまな人たちに感謝しています。今年はとくに暑く、つらい夏ですが、お体に気をつけて、これからも頑張って下さい。」

 この心あたたまる読者からの手紙に対して僕はこんなことを書いている。

「人手がないから、本を自分で運搬しているのではなくて、一種の使命感みたいなもので運んでいるのです。でも人がみると、白毛が増え、それに髪がうすくなってきているから、気の毒にと思われるのかも知れません。
 元気なうちは、これからも自分で車を運転して、お店に出来上がったばかりの本を届ける。結構楽しいものなのですよ。」
 このあと雑誌が厚くなるばかりで、とっても運ぶ体力はなくなってしまったけれど、あのずっしりとくる重みは、まだ、腕の中に残っているような気がしている。

063
内藤ルネさんのイラストと思われる。

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