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2012年5月12日 (土)

男の裸は芸術なのだ!

67  人が気付かないことに目をつける。そうでなければ、新潮社が本にすることはないだろう。その本は『股間若衆=男の裸は芸術か』(定価・本体¥1800・税別)という木下直之さんの著書だ。
 その帯にはエッセイストの田丸公美子さんが、「男の沽券にかかわる本! 露出か隠蔽か? 古今、日本人美術家たちによる、男性の裸体と股間の表現を巡る葛藤と飽くなき挑戦! 曖昧模っ糊りの謎を縦横無尽に追求する。本邦初、前代未聞の研究書」と書いている。

 女性の股間は彫刻では、リアルに表現するわけにいかない。それに女性のあそこは美しくない。女性の美しさは乳房だろうが、男性の股間は美しい。
 ぼくは撮影にカメラマンに立ちあって、どれだけ男の股間を見てきたことか。彫刻家は女性のあそこは、すんなりと表現してしまう。ところが男性のあそこは、一番見せたいところだから、できるだけリアルにと思うのは当然のことだ。
 男性の裸像での一番の見せどころは、股間だからだ。バレエの男性は、股間につめものをして、陰影をはっきりさせたいとする。本当はスッポンポンで踊りたいだろうが、それが許されないのだから、あそこを大きく見せようとする。

『薔薇族』の読者は、誰もが股間を見たいと思う。それを許さないのが、警視庁の風紀係だ。創刊2号目にして、影のように陰毛が見えただけで、警視庁に出頭を命じられて、始末書を書かされてきた。
 それから時が流れて、取締がゆるくなったり、きつくなったりしてきたが、発禁4回、始末書を書かせられること、20数回という流れだった。
 それと同じように、明治時代から今日に至るまで、彫刻家、画家、写真家たちは、苦労して官憲と闘ってきた。

 木下直之さんは、多くの資料を見つけだし、くわしくそのへんの推移を書いている。
 あとがきに「股間巡礼の旅に出て、かれこれ4年になる。旅立ちの日は、はっきりと覚えている。場所は赤羽駅前。平成20年5月2日が、この本の冒頭に登場するふたりの若者に出会った日だった。
 一瞬、我が目が曇ったのかと思った。あるべきものがあるようでないそれは、本当に不思議な股間だった。強いてあげれば、バレーダンサーの股間に近い。もちろん男のもっこりとした方である。
 いったいどこから、こんな曖昧模糊とした股間表現が生まれてきたのかを知りたいと思った。そして、その持ち主が一糸まとわず、なぜ駅前に立っているのか、通行人の多くはなぜ目を留めようとしないのかについても考えてみたかった。」と。

 皮肉なことにわいせつ物取締の本陣の警視庁1階ロビーに、朝倉文夫作の男性裸像が飾られ、大きなオチンチンがぶら下がっている。
 風紀係に呼ばれて出頭したときに、「アレはいいのですか?」と聞いたら、迎えにきた係官が「アレは自然な形だけど、お前のところは不自然な形だからいけない」と言われてしまったことがあった。
 殺人事件があって、警視庁の捜査1課の刑事が、ぼくを訪ねてきたときに、朝倉文夫の裸像の話をしたら、毎日、通っている建物なのにその存在を知らなかった。
 人間って関心のないものって見ないものなのだ。駅前に立っている、男性裸像だって、女好きの男は見向きもしないのは当然のことだ。

 各地に立つ、裸像を巡礼して紹介し、『薔薇族』のことも紹介してくれている。ぜひ読んでもらいたい本だ。

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第7回「伊藤文学と語る会」 

5月19日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出も自由です。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858
※テーマなしで自由に語り合います。ぜひ、お出かけを!

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