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2012年5月 5日 (土)

警視庁の8階の窓から見た皇居の緑が!

 1989年の7月号の「編集室から」を読んだら、警視庁の風紀係に出頭を命じられたときのことが書いてある。この頁、老眼鏡をかけても見にくいくらい文字が小さく、それも2頁にびっしりとつめこまれている。
 今、小学5年生の孫と一緒に住んでいる。その父親がぼくの次男、次男が高校3年で駒大高校に通っていて、大学の進路を決めるために担任と話合いに行ったなんてことまで書いている。23年も前の話だ。

「4月21日、午後2時、警視庁の保安1課に出頭を命じられて行ってきました。めったにスーツを着ることはないのですが、丁度、國學院大学教授の阿部正路君から頂いた、素敵なネクタイをしめて、パリッとして出頭したのです。
 昔の警視庁の建物は、何度も出頭したことがあり、重厚ならせん階段は、今でも頭にこびりついています。あの木の手すりがよかった。新しくなってからの建物は、近代的にはなったけれど、重厚な風格のようなものはなくなっています。
 受付の待合室で待っていると、わざわざ女の方が迎えにきてくれました。保安1課は8階にあって、部屋に入ると、係官が「これに書いてください」と、始末書の書式をもってきてくれて、空いているテーブルで書き入れるのです。ていねいに下敷きまで持ってきてくれて。
 15分か、20分ぐらいで書きあげて、印鑑を押して、それを提出すれば終わりです。一番奥に座っている課長さんに挨拶して、部屋を出ました。
 一階のロビーには、朝倉文夫さんの男性裸像「競技の前に」と題する、等身大のブロンズ像が立っています。もちろんオチンチンもリアルに彫られていて、去年、出頭したときに、そのことをお聞きしたら、「あれは自然な形だからいいんだよ」と、係官に言われてしまいました。
 そういえば『薔薇族』のグラビアは、不自然な形のものが多いのだから、いけないのでしょう。それにしても男性裸像のブロンズが、警視庁のロビーに飾ってあるなんて、一昔前なら考えられないことです。
 ずいぶんと取締当局も、ゆるやかになってきました。だからといって、露骨でいいわけないので、7月号からアミの目を濃くします。
 なるべくなら桜田門のご厄介にはなりたくないので、かんべんしてください。
 世の中、万事、事務的になってきて、形をととのえればいいという感じになっていますが、30何年前に出頭したときなどは、こわいほどに叱られたものです。
 悪いことは悪いと、もっと怒って注意してほしい。その方が反省すると思うのです。今のように始末書を書かせればいい、書けばいいというのでは、あまりにも事務的で、罪の意識を持ちようがありません。
 8階の窓から見下ろす、皇居の緑は美しい。いやなことを一瞬、忘れさせてしまうほど、緑があざやかでした。
 警視庁の前から車をとばして、日本橋の高島屋で開催中のアール・ヌーヴォーの華、アルフォンス・ミュシャ展を見てきました。
 反省の色もなく、ケロッと嫌なことを忘れて、ミュシャの美の世界へ没入してしまったのです。ああ、なんという落差でしょうか。
 この世の中に、こんな人間っていないのではと思いつつ。」

 いつもなら、日劇のミュージックホールでストリップショウを見るのだが、もう閉鎖されていたのかも。
 今でも警視庁の前を通ると、あの頃のことがなつかしく思い出される。風紀係はどんなことになっているのだろうか。誰もが裸なんてなんにも感じなくなってしまって、陰毛がちょっと見えただけで呼ばれた時代の方がよかったのかも……。

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第7回「伊藤文学と語る会」 
 
5月19日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出も自由です。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858
※テーマなしで自由に語り合います。ぜひ、お出かけを!

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