« 私は書かない、同性愛者の名誉のために! | トップページ | 第9回「伊藤文学と語る会」 »

2012年6月23日 (土)

勇気を出して、扉をたたいてみよう!

079 『薔薇族』には「少年の部屋」という、中・高生の投稿を載せる頁があって、小さな文字でびっしりと何人もの投稿を載せている。
 今ならとても考えられない頁で、メールなんてものがない時代、少年の熱気を感じさせる長い文章が多い。その中の何人かには手紙を回送できるようになっていた。
 1987年の9月号「少年の部屋」の巻頭に、ぼくはこんなことを書いている。「「少年の部屋」の諸君に訴える!」と。

「中・高生同士が知り合うチャンスは、この欄でしかないのです。未成年者同士が文通で知り合うことはいいのですが、どうしてもそこに少年の好きな大人が入り込んでしまうのです。
 最近、ある少年のお父さんから電話があったのですが、相手は大人で、高校生のような書き方で、この欄に載せていました。高価な洋服をもらってくるので、親が変だと思ってわかったことです。
 今、この欄で手紙を回送することの是非を考えて悩んでいます。みんなの率直な意見を聞かせてください。僕はなんとか続けたいと考えているのですが・・・・・・。(伊藤文学)」

 いい時代だったと言うべきでしょうか。この頁によって、同じような悩みをもっている人が世の中には、たくさんいるということを知って、少年たちの気持ちが楽になったことは間違いない。巻頭にはこんな高校2年生の投稿が載っている。長文なので全文は紹介できないけれど・・・・・・。
「勇気を出して扉をたたいてみたら」と題してだ。

「僕、神戸の山奥(と友達が言うので)に住む「タッチ」こと、生意気ざかりの達也です。よろしく。高校2年、やっと17になったところ。背丈がやっと待望の175センチを越えて、水泳で鍛えた胸や、肩もなんとか、この頃、さまになってきたって感じです。
 この雑誌とは、去年の今頃、クラブの部屋に投げてあったやつをふと手にしたときからの付き合いです。仲間たちとふざけて、さわりっこするくらいはしたことあるけど、SEXってやつには、まだ臆病な僕です。
 それでも、この4月に思いきって、文通欄に出ているカッコ良さそうな人に向けて、1通だけ手紙を書いたんです。
 2週間ほどで返事が届きました。「写真を見てすっかり気にいった。早く会いたい」と書いてありました。
 電話で10分ぐらい話したけど、イマイチのれなくて。グズグズしていたら、また手紙がきて、今度はちゃんと写真も入っていて、顔はそんなにタイプじゃなかったけど、その人の熱意に負けたって感じで。また電話して5月の連休に会うことになったのです。
 約束の時間より15分も早く着いたのに、その人はもうそこで待っていてくれて・・・・・・。
 梅田センタービルで遅めのランチをとって「スタンド・バイ・ミー」を2人で観て、夕暮れの公園通りを歩き、ガス・ビルのカフエでお茶して、「俺の部屋に遊びにこないか?」って誘いにだまってうなずいて・・・・・・。
 その夜、生まれてはじめて、僕はSEXを知り、女の子みたいに彼の胸の中で、ぐっすり眠りこんでしまいました。
 車で自宅まで送ってもらい、次の日も会う約束をして別れました。僕はこの一日で、うかつにも彼のことを愛しはじめていました。」

 このあとまだまだ続くけれど、ハッピイ・エンドのようだ。
 僕みたいにちょっぴり勇気を出して、扉をたたいてみたら、すごくいい出会いが待っていたってこと、みんなに知ってもらいたくてと、達也君はむすんでいる。

 そう、勇気を出して扉を開けてほしい。きっといい出会いがあると思うけど・・・・・・。

|

« 私は書かない、同性愛者の名誉のために! | トップページ | 第9回「伊藤文学と語る会」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/54924241

この記事へのトラックバック一覧です: 勇気を出して、扉をたたいてみよう!:

« 私は書かない、同性愛者の名誉のために! | トップページ | 第9回「伊藤文学と語る会」 »