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2012年6月30日 (土)

母校、世田谷学園は進学校として発展している!

 ぼくが誰よりも、母校の世田谷学園を愛し続けているのには理由がある。
 昭和19年、日本がアメリカに無条件降伏したのが、翌年の昭和20年(1945年)の8月10日のことだから、すでに東京はアメリカのB29爆撃によって、焼野原になりつつあった頃のことだ。
 私立日本学園を受験して、入れなかった。親父が戦前、勤めていた第一書房から、山田霊林という偉い曹洞宗のお坊さんの本『禅学読本』を出したことがあった。
 その山田先生は、世田谷学園の校長から、駒沢大学の総長、そして永平寺の管長にまで登りつめた方だ。

 親父が世田谷学園に入れてもらうように頼みに行けというので、おふくろに連れられて、芝の方にあったお寺にお願いにあがった。
 山田先生の威光で、難なく世田谷学園に入学できて、4年修了とともに、駒沢大学にも入れてもらった。
 そして卒業の日まで大学にいたものの、頭が悪く本をまったくといっていいほど読まないぼくに、卒業論文など書けるわけがない。
 恩師の万葉学者であり、歌人の森本治吉先生が心配してくれて、大学院に入って、そこで卒論を書けばとまで言ってくれた。
 考えてみたら、大学院に入っても急に勉強するわけではないし、親父の出版の仕事をすでに手伝っていたので、そのままになってしまった。

 そして時が流れ、20年以上も過ぎただろうか。ぼくと妹で書いた著書『ぼくどうして涙が出るの』が、日活で映画化され、ベストセラーになった。
 そのあとだったと思う。世田谷学園の同窓会の役員会が開かれたときに、ぼくも役員なので出席した。会が終わって外に出たら、駒大の教務課の部長さん(恩人の名前を忘れてしまった)も帰るところで、ぼくは車で行っていたので、家まで送り届けたことがあった。
 その車中、「じつは卒論を書かなかったので、卒業証書をもらえなかった」という話をしたら、「なんだ、おれを訪ねてこいよ」と言ってくれた。
 何日かして学校に部長を訪ねたら、立派な卒業証書が出来あがっているではないか。総長のお名前が違っていたが。
 それまでは、ぼくの著書の略歴に「駒沢大学文学部国文科を出た」と書いていたが、それからは堂々と駒沢大学卒業と書いている。あの日、車で行かなかったら、死ぬまで駒沢大学を出たと略歴に書いていただろう。

 今の時代、こんなことできるわけがないが、いい時代だったということだろうか。

 先日、世田谷学園の同窓会の役員会が、6月1日(金)の夕方4時30分から、学園の会議室で、校長をはじめ20人ほどが集まって行われた。総会を開く前の決算報告と事業計画などの審議だった
 世田谷学園の卒業生は万を超すだろうが、同窓会の総会に出席する人は、30人ほどだ。入試の学園案内はお金をかけた立派なもので、どこの学校よりもいい出来になっている。受験をする親がみて、息子を入れたいと思うほどの説得力がある。

 東大12名、早慶上智が230名など、現役での合格率は88.3%というからすごい。
 塾に同窓会はない。自動車学校にもない。そこは入試のため、運転の技術を教えるだけのところだから、卒業したら二度と行きたいと思うわけがない。
 それと同じで進学校としての学園になってしまっているのだから、難関大学への合格者数が問題であって、野球や、柔道で名前を売る必要もない。
 優秀な世田谷学園に親たちは、息子を入れたいと殺到しているのだから。男子校であって、女性がいないことに、むしろ親たちは安心している。卒業生として母校を誇りに思うべきだろうか?

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学園案内は、お金をかけた立派な体裁

081b
それにひきかえ、同窓会の案内は、お役所から届いたよう。これを読んで出席しようと思うだろうか? 

 

第9回「伊藤文学と語る会」

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7月14日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858

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初めての方、女性の方、お一人様でも大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

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