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2012年7月 9日 (月)

1960年代の活気をとりもどそう!

84a  昭和44年(1969年)8月26日発行の「週刊現代」をみつけた。今から43年前の週刊誌で、定価は70円とあるから、今の週刊誌の5分の1の値段だ。

 この年は先妻の舞踏家、伊藤ミカが事故死する前の年で、短い生涯の中で一番活躍していた年でもある。

 1968年は、日本の激動の年で、日大闘争、東大闘争、京大闘争と、日本中の大学で学生たちが紛争に明け暮れていた。
 学生たちが何に対して、怒りをぶちまけていたのかはわからない。権力に対してか、社会に対してのうっぷんが爆発したのだろうか。

 三島由紀夫が自衛隊市谷総監室で割腹自殺をとげたのが、翌年の11月25日のことだ。アメリカのアポロ11号が月面着陸したのが7月21日のことで、宇宙中継されて見るものをおどろかした。

 ミカが出演していた、クラブ「スペース・カプセル」は、今は亡き建築家の黒川紀章さんが内装の設計をし、宇宙船の中にいるようで、話題になった。
 ミカは宇宙船アポロ11号の月着陸をイメージして、「静かの海の恐怖」をショウのタイトルとした。このショウは毎週金曜日の夜9時と11時の2回に催した。

 山本寛斎さんがデザインした、ステンレス製の円盤は、月を象徴しているが、その重さは20キロぐらい、くさりで背負って踊るのだから、肌が破れないか心配したが、意識を集中しているので痛くないという。肌が少し赤くなっているぐらいだった。
 このショウは各週刊誌のグラビア頁にとりあげられて話題になり、お客さんが押しよせていつも満席だった。狭い空間で踊るのだから、お客さんの目の前で、汗が顔にとびちるようだった。
 ぼくは照明係で、ライトを裸身にあてているのだが、白い肌に汗がにじみ出てきて、キラキラと光り美しかった。あんな緊張した時間はぼくの生涯ではもうないだろう。
 あの時代、活気に充ち満ちていて、だれもが緊張感を持っていた。激動の時代だったのでは……。

「週刊現代」には、こんなことが書かれている。「伊藤ミカのアングラ舞踏」と題して。

「東京・赤坂にあるゴーゴースナック「スペース・カプセル」では、月曜から土曜まで、夜9時からと11時からの2回、歌や踊りのショウをひらいている。
 なかでも呼びものは、金曜日のプログラム「静かの海の恐怖」を演ずる伊藤ミカ女史。彼女のショウのあいだは、観客も息をのみ、せきひとつ聞こえないほど。」とある。

 見ているものの息をのませ、せきひとつ聞こえないほどの迫力。そのすさまじさは、ものすごいものだった。
 おそらく女性の方だと思うけれど、ぼくの著書、ミカとの15年間を書いた『裸の女房』(彩流社刊)を読んでの感想をネットにのせてくれている方がいた。
 やはり1960年代という時代を感じとってくれているようだ。

「三島由紀夫や、渋澤龍彦といった作家の方々が、大活躍されていた1960年代。80年代生まれの私にとっては、リアルタイムではなく、本を読むことによってのみ、時代の雰囲気を共有することができるわけですが、それにしても非常にエネルギーに満ち満ちた時代だったのではと、いつも思います。」

 あの大学紛争の強烈なエネルギーは、どこに消えてしまったのだろうか。馬鹿な政治家たちが国会でくりひろげている、体たらくな姿を見続けていて、爆発しない国民もだらしがないとしか言いようがない。

84b

第9回「伊藤文学と語る会」

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7月14日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858

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初めての方、女性の方、お一人様でも大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

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コメント

時代がもう変わり過ぎました。1970年前後は日本経済が右肩上がりでどんどん成長していた時期です。 その後、日本型のマスプロダクション方式による生産、品質管理、そしてマスプロに合わせた人材の養成のしかたがもう時代の進化に合わなくなったのです。今、全世界が大不況に喘いでいます。 ただ、日本人はどうも右に倣えという社会性から逸脱できないゆえ、他国に比べて悲観論ばかりです。 でもあの40余年前の時代背景と比較すると、こういう場で簡単に語れる話題ではないと思います。 経済、政治、社会組織が複雑に絡みあっているからです。 ただ、政治家というよりは、影の実権を握る、現在の私欲に取りつかれている官僚達の集まりの官僚制度を壊滅させなければ、真の改革はあり得ないと思います。

投稿: Kim | 2012年7月 9日 (月) 12時03分

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