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2012年8月25日 (土)

読者を楽しませてくれた竜さん

 吉田カツさん、イラストレーターとして脚光を浴びて大活躍しておられた方だ。断られても元々と思って電話をかけてみた。意外にもわが家から歩いて、2、3分のところのマンションに奥さんと住んでおられた。
 気軽に引き受けてくれて、「いつでも描きますよ」と言ってくれた。それが1976年・No.36・1月号の表紙だ。
 あまりにも迫力があって、夜見るとこわいと言ってきた人がいたぐらい。オリンピックの女子柔道で金メダルをとった、オオカミのような目と言われた松本薫の顔を思い浮かべる。
 その号に載っている藤田竜作の「男48景・いろかるた」は、才人、竜さんが読者を楽しませようと考えた傑作で、遊び人の竜さんでないと思いつかない発想だ。全部はお見せできないが、そのうちのいくつかを紹介しよう。

●犬も歩けば棒に当たる
 いつも歩けど坊やに当たらず
 少年愛はつらいね

●花より団子 
 穴より肉団子
 タマタマ・フェチもいるのです

●骨折り損のくたびれもうけ
 嫁取り損のくたびれ呆け
 長年かくしとおすって、大変なんだから

●チリもつもれば山となる
 チリ紙つもって朝となる
 「千雅」にはティッシュが何十箱も置いてあるぞ「竹の家」は、ちょっと粗悪紙だなあ(ゲイ・ホテルに泊まったことのない人には分からないだろうな)

●老いては子に従う
 老いては殊にしたがる
 サウナで先に手を出すのはフケなんだ(老人のことを悪く言っちゃいけないよ。竜さんだって年を取って死んでしまったのだから。一緒に住んでいたルネさんが、竜さんに「相手を思いやる気持ちがあれば、いい男なんだけど」といつも言っていたっけ)

●月夜に釜を抜く
 浮き世に釜をさらす
 そしてわたしは生きてゆく……

●念には念を入れ
 ノンケには銭を入れ
 お仲間にはすごいケチなのに(分かっていたはずなのに、ノンケのサギ師に7億ものお金を竜さんはだましとられてしまった。なんということだ)

●年寄りの冷や水
 年寄りのイヤ味
 男がつかないから、つい……ね

●喉もと過ぎれば熱さ忘るる
 喉もと過ぎれば吐き気あふるる
 わあ、でっかい

●安物買いの銭失い
 薔薇族買いの労力失い
 うそ、うそ。安心してかえって成績あがるよ

●貧乏ヒマなし
 美貌、妻なし
 そういう男はお仲間の可能性大

 読者を楽しませたい、いつも工夫をこらしていた竜さん。ぼくより4歳も年下なのに、お先に天国に行ってしまった。ああ。

097a
吉田カツさんの表紙絵

097b
イラスト・藤田竜

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コメント

竜さんでさえも、誌上では本名も素顔も明かすことはできずに、隠れていたわけです。読者への呼びかけの例の言葉も本人自身はかなわず。竜さんは、理想と現実の実態の違いをよく把握して生きていた思います。

投稿: 薔薇族2号 | 2012年9月22日 (土) 03時27分

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