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2012年9月24日 (月)

女同士の恋だけど、なんとしても……。

106_2  女性のことを記事にすると、『薔薇族』の読者は嫌がるから、なるべく載せないようにしていたが、女性の読者も2割ぐらいはいたのでは。
 あるファッションモデルから、ぼくはこんな手紙をもらったので、なんとしても恋を成就させてあげたいと記事にした。
 その手紙には、できるだけ文章をきり捨てないでください。私の今までの心と今の気持ちを伝えたいし、それによって彼女の気持ちも動くかもしれないからと、書いてあった。そして相手の女性も毎号、『薔薇族』を読んでいるという。
 フランス映画の一シーンを見ているような美しいシーンだから、ぼくが感激して、彼女に協力したって、読者は怒らないだろう。

「オチビちゃんへ!
 オチビちゃん、この文を読んだら私が誰かわかるよね。(今月号も欠かさず読んでくれているといいのだけど)
 貴女と初めて会ったのは、私が出てたファッションショウ、一番前の席で瞳を輝かせて見ていたね。目が合ったので微笑むと、貴女は恥ずかしそうに下を向いてしまった。
 そのあとで会場近くの喫茶店でバッタリ。貴女は下を向いたまま、真っ赤になって、「貴女がいちばん、きれいでした」って言ってくれた。そして、なぜか貴女は私の部屋までついてきてしまった。
 私の肩までしかない貴女を、私はオチビちゃんと呼ぶことにした。何度か訪ねてくれて貴女の気持ちに気付いていたし、かわいいとも思っていたけれど、私はこわくて貴女を抱けなかった。
 寝つかれないで溜息をついていたのも、私の背中にそっと触れては、その手をひっこめていたのも、みんな知っていたの。私も迷っていたけど振り返れなかった。

 9月4日、私の誕生日にマンションの前で私の帰りを待っていてくれた貴女。でも男の人の車から降りた私をみて、貴女は走り去ってしまった。目にいっぱい、涙を浮かべて、「好きだったのに」って、ひとことつぶやいて。
 あの人は仕事のスポンサーで、食事に誘われただけなのに、そんな説明も聞かないで。電話をくれるのを待っていたのに……。
 もう好きじゃなくなった? 私のこと忘れてしまった? だとしたら仕方がないけど……。

 私、来春、契約が切れたら、母の待つベルギーに行きます。もし、貴女が電話をくれて、今でも同じ気持ちでいてくれるなら、必ず戻ってきて、私、貴女と一緒に人生を送ってもいいと思ってる。今度訪ねてくれたときは、私、もう迷わない。今、はっきりと気付いたの。
 いつからか、貴女が私の心の中に住んでること、今までに味わったことのない、心のときめきと、言いようのない寂しさ。
 オチビちゃん、私は貴女を愛し始めてしまったみたい……。」

 横浜市に住む、ファッションモデルで、24歳になる女性からの愛の切々たる呼びかけの手紙でした。
 女の人のことを書くと嫌がる読者もいるかもしれないけれど、人間が人間を愛する気持ちに変わりはない。まして女同士の雑誌はないから、こうして『薔薇族』を読んでくれている女性にも力になってあげたかった。
 ショウの舞台から観客席にいる女性と目が合って、恋に変わっていった。小説の世界のように思うけど、現実にこんな話ってある。

 ぼくも七夕まつりに行く夜汽車の中で出会った女性と恋に落ち結婚してしまったから、偶然を信じている。この人たち、その後どうなったことか……。

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コメント

レズビアンの方の権利も大事です。そのことは認めます。けれど異性愛男性が編集長だと、どうしても性欲を感じるのは女性なので、こういう記事が書かれるのでしょう。

ゲイの問題はゲイ自身が担うべきだと考えていますが、レズビアンの問題もやはりビアン自身が担うべきだと思います。

そして伊藤さんは、異性愛者として、異性愛者が抱える問題に向き合うべきです。もしかしたら今の時代、異性愛者のほうが困難を抱えているかも知れません。

投稿: | 2012年9月28日 (金) 01時11分

私も、実際に同性を愛する女性が読んでいたことを知っています。その目的は、グラビア写真ページではありません。
親に結婚を迫られて困り、人生の生き方のヒントとなる記事を求めてです。その部分の目的に関しては、ゲイの人と共通ですから。1ページでも、生き方のヒントの記事があれば、それを目的に買って読んだでしょう。このテーマの深い話は、後日にします。
ところで、伊藤さんがゲイのための雑誌を全国の書店の流通ル-トに初めて載せた功績を、私は評価します。
それは、藤田竜さんたちにはできなかったことです。ただし、雑誌の内容部分のテーマに感性を持っていなかった伊藤さんに対して、感性部分を藤田さんがうしろから全面的にバックアップして成功に導いたと思っています。そして、伊藤さんがその感性をもっていなかったことが、結果的に流通を切りひらいたと思います。
その後の2番手以降の雑誌は、切りひらかれた道を通ることの恩恵を受けたと思います。

投稿: 薔薇族2号 | 2012年9月24日 (月) 01時21分

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