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2012年10月 8日 (月)

三島由紀夫を研究している人にぜひ!

 ぼくの良き相棒だった藤田竜君のこの文章は、どうしても残しておきたい。

「福島次郎著『三島由紀夫』――剣と寒紅』が語らなかった最奥の秘部――三島由紀夫はなぜ裸体を見せ続けたのか」
「残りの一人が誰になるか思いつかないが、戦後50年の日本の文化三大スターには、美空ひばりと三島由紀夫が入るだろう。(中略)謎の怪人、三島さん個人に関する著作も数知れず出続けている。
 そして、また『三島由紀夫――剣と寒紅』が出た。これは三島さんのホモとしての実像を描いており、たいへんセンセーショナルだ。面白くて(本来なら興味深いと礼をただすところだが)わずかに三島さん個人を知っている僕には面白くてたまらず(知っていなければもっと?)目からウロコの箇所がいくつもあって、夢中で読んでしまった。未亡人が在世であれば、陽の目を当然見ない作品である。

 未亡人は三島さんの個人面が現れる出版物や、映画などが世に出ようとすると、必ず反対し、成功してきたのだから、亡き夫は特にホモであってはならないのだ。それを認めては自分が誤った選択をした女になってしまうからであろうか。
 マスコミを通じて僕が受ける未亡人の印象は、氷のように冷静、といったものであったが、未亡人には僅かしかふれていない本書からも、それはうかがえる。
 そして、あの三島さんですら、ホモ的なものが夫人にバレるのを極端に用心するさまも描かれており、夫人の疑心暗鬼に、さぞうんざりしたであろう日常も察しられ、本書が世に出たことに、夫婦それぞれに墓の中で、さぞ歯がみしているであろう。

『剣と寒紅』の著者、福島次郎氏は三島さんの『禁色』を読み、作中の同性愛者が集まるルドンという店がどこか教えてほしいと自宅を直接訪ねる。著者は当時21歳の大学生。すでに名声盛んであっても、三島さんはまだ26歳だった。
 三島さんは、ホモの世界のスター、実在の悠ちゃん(『禁色』の主人公)に失恋したすぐあとだから、突然出現した(『週刊文春』に載った若い日のボケ写真によれば、田舎者らしくないモダンなハンサムらしい)大柄の純朴な田夫青年は、飛んで火に入る夏の虫のごときもので、さっそく書生として身近において、やがてセックスの相手にしてしまう。
 だが残念ながら三島さんの知性を尊敬はしていても、性的には著者の好みではなかった。『青い燐の燃える沼に半身をつからせられている気持』『死んだ魚のようにしていても、それなりにともかく済んでいた。』という三島さんの一方的なセックスになる。
 ボディビルを始めるずっと前の頃の、小柄でやせて顔の大きい、三島さんに著者はこう感じる。

『傍らに一人の人間が寝ているという感じはしなかった。人間の裸線が寝ているという感じだった。電気コードの被覆部をはぎとった「裸線」――いわば、神経、精神、魂といった人間の芯にあるものだけが、無駄な肉など一切つけず、そのまま一本の針金のように横たわっている感じなのだった。それに触れて、一体誰が、性的欲情を催すことができようか。』
 ここから佳境に入っていくのだが、次に書くことにする。若き日の藤田竜君は、三島さんとベッドを共にしただけあって、話は真実味を増していく。

★かつて『薔薇族』を出していた頃、トーハン(本の問屋)から雑誌を送っている書店のリストをもらったことがあった。
 北海道の名も知らぬ町の書店に、一冊だけ配本されている。おそらく町に住むだれかが書店に購読を頼んでいるのだろう。ぼくはその一人の人に興味があったので、「編集室から」で呼びかけてみた。
 まもなく手紙が届いて、小学校の先生だということが分かって、感動した記憶がある。ぼくのブログも読んでくれている人が増え続けているが、更新してくれている猪口コルネ君から教えてもらったことだが、英語圏の人が324人、中国が15人、韓国5人、ポルトガル2人、イタリア2人、ロシア2人、スペイン1人、フランス1人、ドイツ1人、インドネシア1人もいる。

 これらの人は現地にいる日本人なのか、それぞれの国の日本語を読める人なのか、知りたいものだ。中国の上海から来日した若者、日本語も上手だし、日本の本も読める。宇野亜喜良さんにインタビューしたいというのでお連れしたが、宇野さんのことをなんでも知っているのでびっくり。

 中国で読んでくれている人が、15人もいるというのは、この青年に出会って理解できた。他の国の人たちはどんな人たちなのだろう。ぜひ、メールを送ってください。

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