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2012年10月29日 (月)

過去を知らなければ未来を語れない!

『薔薇族』は、平成16年の11月号・No.382で廃刊に追いこまれてしまった。印刷所がこの号で投げ出したのだから、読者に廃刊を伝えることもできずにだ。
 それから8年にもなる。月日の流れのなんと早いことか。

 全盛期には『薔薇族』の目玉だった、「薔薇通信」に1000人を越す読者が、仲間を見付けるために投稿していた。ネットのない時代、「薔薇通信」を使うことが、仲間探しの最良の方法だったから。

 ネットの急速な普及で、手紙を書いて出すなんて、長い時間をかけての仲間探しは、過去のものになったのは当然のことだ。
 最後の382号の「薔薇通信」欄には、112名しか載っていない。これはネットを使えない人が投稿していたのだろう。

 廃刊をマスコミが大々的に取り上げてくれたので、反響も大きかった。ネットの2ちゃんねるに数えきれないほどの書き込みがあって、それを紙焼きにしてぼくに送ってくれた人がいたので読むことができた。
 大多数の人は好意的な見方をしてくれていたが、なかには手ひどい批判の声もあった。

「ぼくのじいさんは、80歳を過ぎているが、ワープロを打ち、ネットでメールも送っている。ネットを触れない編集長は失格だ。」と書いている人もいた。

 それから8年、今もってネットを触ろうという気持ちにはならない。ならないというより出来ないというべきだろうか。携帯電話すら持っていないのだから。
 今の時代、ネット万能の時代で、なんでもネットで検索とあるのだから、ぼくにはなんにも知ることができない。みんな新幹線や、飛行機で移動しているのに、ぼくだけカゴに乗っているようなもので、時代おくれなことは自覚している。

 人間ほめられれば、うれしいし、批判されれば気分が悪いし、気にもなる。ぼくのブログを読んで、感想を寄せてくれる人もいて、ぼくにかわって更新する役をひき受けてくれている、ありがたい猪口コルネ君が紙焼きにして見せてくれる。

 雑誌を出し続けていた時代、多くの批判を受けたことがある。ぼくがノンケだから、本当の意味でゲイの人の気持ちを理解できないのではという批判。スタッフからもさんざん言われたが、これはどうにもならないことで、より理解しようと努力するしかなかった。
 東郷健さんからは「ゲイを食いものにしている」と、言われもした。それならばなぜ、ぼくよりも先にゲイの人がゲイ雑誌を出さなかったのか。

 長い文章なので前後を省略してしまって、申し訳ないが、こんな批判もある。

「可哀想な同性愛者だと、上から目線でさげすむのはいい加減で止めて頂きたい。「悪いことをしていない」などと、ゲイにとって当たり前のことを言わないで頂きたい。強固な怒りを覚えます。
 今、ネットの世界では、ゲイの世界が無限に広がっています。伊藤さんはネットをやられないから、ゲイの実態をご存じないのでしょう。
 フェミニズムが女性当事者の学問、運動であるように、ゲイムーブメントもゲイ自身に担われないといけません。当事者以外のヘテロ男や、女がゲイの世界に口出しするのは越権であり、厳に慎まれなければなりません。」

 正しい意見です。ぼくのところへは電話もたまにしかかかってこないし、手紙もきません。だから今の時代のゲイの人たちの意識を知ることはぼくにはできません。ただネットがなかった時代の読者がどんなことに悩み、苦しみ、どんな思いで生きていたのかを、今に生きる人に伝えたいとブログを書き続けている。

 過去のことを知らなければ、未来を語れないからだ。ゲイの人たちが少しでも幸せに暮らせるように、もう君にまかせます。口出しなんかしません。しかし、毎日、2000人もの人が、ぼくのブログを見てくれているという事実、それはなにか共感するものがあり、訴えるものがあるからでは。

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若き日の伊藤文学

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