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2012年11月 3日 (土)

逞しい制服姿の警察官に燃える!

 ぼくがいつも使っている小学館刊の「新選国語辞典」には、「フェティシズム」のことを「石や木片などを神聖なものとして崇拝すること・異常性欲のひとつ・異性の身につけているものに性欲を感じること」とある。
 編纂された方は、すでに亡くなっている方たちだ。同性が身につけているものに性欲を感じる人のことなど、考えもつかなかったのだろう。

『薔薇族』の読者には、いろんなフェチの方がいた。京都市に住む児玉重夫さん(23歳)は、制服願望が強い方だ。辞書には異常性欲のひとつと決めつけているが、誰しも多少の願望を持っているのでは。
 ぼくも読者から借りて、陸軍大佐の軍服を身につけたことがあったが、そのときのきりっとした気分は忘れられない。

「私の場合、ひ弱だったせいか、強いもの、逞しいものへの憧れを少年の頃から持っていました。
 ことにいかめしい軍服や、軍靴、警察官の制服などには強い愛着を覚えました。たんに格好がよいとか、勇ましそうで好きだといったものではなく、それ以上にもっと強烈な、性的な興奮をともなって、それらを眺めました。
 そしてまた、見るからに健康で、がっちりとした筋肉と、野性的な風貌と、底力のある大きな声をした男に出会うと、「彼になりたい」「彼のようでありたい」と思うと同時に彼の衣服を、この身につけたいという欲望を強く感じるのでした。
 よくバスの中や、エレベーターの中などで体格のいい制服姿の警察官を見つけると、ひそかに彼を眺め、それから何気なく彼のそばに行くのでした。そうして後ろめたい気持ちと気づかれはしないかという心配とで、胸をドキドキさせながら、恐る恐る彼のそばに立つのです。
 目をとじて全神経を嗅覚に集めて、その男らしい匂いを吸いこみます。空想の中で、私はその制服を荒々しくはぎとり、自分の服と着がえます。見ただけでふるいつきたくなる衝動をじっとこらえて、想像の世界を広げていきます。
 生あたたかい湿りをもった彼の下着、くつ下からパンツ、シャツと次々と、その男の体臭と体温のこもったものをすべて身につけていきます。
 そしてあのザラザラした肌触りの制服が身を包むときを想像すると、もう体中が熱くほてってきて、背中はじっとりと汗ばんできます。
 あの幅広い革のバンドは、男の汗が染みついていることだろう。あの制服にはポマードの匂いがしみこんでいることだろう。ああ、そう思うだけで私はもうたまらないのです。
 頭はくらくらとしますし、口の中はカラカラに渇き、目はボオーッとしてきます。
 そして火のように熱く、はち切れそうになっている私の大切なものを、人に気づかれはしないかと心を痛めるのでした。
 私は自分の悲しい行為をさげすまないではいられませんでした。そして私の貧弱な体格と柔和な色白の顔立ちをいたく卑下し、それがなおいっそう彼らへの欲望をつのらせるのでした。
 いく度となく、繰り広げられる空想の中で多くの警察官や、兵士たちや、有名なスポーツ選手や、映画俳優たちが私によって次々と襲われ、犯されていきました。
 私は夜、床の中でねむりつく前に、世にも奇怪な想像を行うのでした。(後略)」

 この時代、スポーツジムなどなかったから、肉体をきたえるチャンスはなかったのだろう。三島由紀夫さんのように、肉体を改造したらこの人、どんなことになったことだろうか。

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表紙絵・大川辰次

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第13回「伊藤文学と語る会」

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11月17日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858

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初めての方、女性の方、ご年配の方、お一人様、大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

 

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