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2013年1月14日 (月)

現代の『女の防波堤』は、基地をなくすしかない!

「芸者、ダンサー多数求む!! 進駐軍接待婦大募集!! 昭和の唐人お吉よ来れ!! 日本女性の防波堤たらんとする、女性を求む!! 衣食住は当協会負担。面談即決!! 特殊慰安施設協会」

135  大看板が焼け残った東京のお店の前に張り出された。

 その看板を見て応募した女性、田中貴美子さんが、体験を描いた手記を出版した。それが、わが第二書房から、昭和32年8月5日に第1刷として出された『女の防波堤』(定価250円)だ。

 そして忽ち第5刷まで増刷されたところで、発禁処分になってしまった。

 その帯のキャッチフレーズには、こんな文字が……。恐らくぼくが考えたものだろう。

「半官半民の売春会社R・A・Aに応募し、みずから肉体の防波堤となった、少女の赤裸々な体験手記」

 当時、「週刊新潮」が売れに売れていた時代で、5頁もの特集を組んでくれたのだからヒットしないわけがない。
 
 警視庁は社交、遊技にかかわるすべての業界のリーダーを集めて協議し、「あくまで民間の事業にせよ」として、国家が関与した証拠を残さないことだった。
 
 業者側出資5千万円、政府側保証5千万円、あわせて1億円の資本金を持つ、政府と民間共同の赤線会社が創立されたのだ。

 進駐してくるアメリカ兵は、フィリッピンにいた陸軍第8軍と、横須賀から上陸した第3艦隊など、2万人で東日本を占領、9月末には増援部隊を加えて、11万人に達した。
 
 マニラや沖縄にいて、日本への進駐を目前にひかえたアメリカ兵たちの間で、「進駐地には女の用意がしてあるらしい」とささやかれていたという。

 従軍するアメリカの記者の証言らしいが、日本に兵隊より先に乗り込んだのが新聞記者だったから、日本の情報の伝達者も記者だったのではないか。
 
 いずれにせよ、兵士たちは「芸者ガールが抱ける」という幻想のとりこになっていたようだ。

『女の防波堤』には、こんなことが書いてある。「大森海岸の小町園、見晴らしに乗り込んだ昭和のお吉たちは、全員167名の大部隊でありました。

 

 私たちのお店である小町園は、18室もある大きな料亭で、93人。見晴らしには74人がそれぞれ別れました。

 

 大森三業組合が協会に出資の形で、この両店を提供したのだそうです。ひのき造りの豪華な建物ですから、私たち焼け出されの女たちは「あら、すごいわね。こんな家に住めるんなら、少々つらくとも辛抱するわ」と、みんな上機嫌です。」

 こんな甘いものではなかった。生命がけの戦争が終わって、飢えた野獣のような若いアメリカ兵だ。どんなことになるのか、想像ができる。

 横浜は東京よりも早く進駐軍と対面し、すぐに性慰安所をかまえている。焼け残ったアパートに娼婦を集めた。そこへ押しよせてきたアメリカ兵は百数十人。それを14人の娼婦が受け持った。

 数は日ましに増え、ひとりの娼婦が一日に70人も相手にした。殺人まで起きたので、アパートは一週間で閉鎖される。

 それは娼婦が黒人兵を嫌ったところ、怒った黒人兵が娼婦を銃殺。、今度はかけつけた進駐軍のMP(軍隊の中の警察)が、その黒人を射殺というから、人種差別はひどかったようだ。

 当時の日本人は、みんな飢えていた。栄養失調寸前の若い女性に、屈強な兵士の相手をさせたのだから、正気の沙汰ではなかった。

『女の防波堤』は、新東宝で映画化もされたが、今読んでみてワイセツなところなどない。お国がお金を出して、赤線会社をつくったことを国民にしらせたくなかったのだろう。

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Bungakusan <今週の文学さん>愛の潤滑液「ラブオイル」について
毎週『薔薇族』初代編集長・伊藤文学さんに、ちょこっとインタビューする「今週の文学さん」。今回は、『薔薇族』発のオリジナルローション「ラブオイル」についてうかがいました。


第15回「伊藤文学と語る会」

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1月19日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「邪宗門」
住所:東京都世田谷区代田1丁目31-1 TEL03-3410-7858

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初めての方、女性の方、ご年配の方、お一人様、大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

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