同性婚の問題を考える!
欧米では、すでに同性結婚を法律で認めている国もある。ロスでは認められていないが、10数年前、男同士で一緒に暮らしている人の家を訪ねたことがある。それはアメリカのロサンゼルスでのことだ。
有名な鉄板焼の店で働いている日本人で、相手は航空会社の社員のアメリカ人だ。二人で働いているので、不動産も持っていて、そう簡単に別れられないから、二人の間できびしいルールを作って守っているそうだ。
オバマ大統領も2期目の就任演説で、同性婚の問題を提起したが、日本の政治家は、誰ひとり声をあげた人はいない。
ぼくは残された時間を同性婚の問題を訴えていこうと思ったことがあったが、なぜか踏みきれないものがあった。
日本中でどのくらいの人が、一緒に住んでいるだろうか。調べることは不可能だが、意外と少ないのでは。文通欄で知り合い同棲していて、一緒に訪ねてきた人も、何組もいたが…。
外人のお金持ちと一緒に住んでいた、有名なカメラマンがいた。男の写真に高価な骨董品を背景に使ってすばらしい写真を撮っていたが、その人が亡くなったあと、外人がすべてを持ち去って、残されたものは、ふだん使っていた食器類だけだったとさびしい話を聞いたことがある。
若い方を養子にして、財産を残すようにしているカップルも日本では多いのではないか。
23年も前の『薔薇族』の投稿欄にこんな投稿が載っていた。「同棲の破局」と題してだ。同性婚の問題の答えのようにも思える。
「男と男、好いて好かれて、これから一生、愛し合って生きてゆこうと誓い合って始まる同棲も、一緒に暮らしてみると、お互いに相手のアラが目につきだしてくる。
男と女がSEXすれば、子供が生まれる。そしてお互いにわがままを言い、無理を言っても、ふたりの仲には、子供はカスガイとしての役目をしてくれるので助かるけれど、男と男では、いくら愛し合っていても、どんなに激しいSEXをくり返しても、子供が生まれることはない。だからこわれはじめると、ガタガタとくずれ落ちるのもはやい。
お互いに浮気をしてみたらということで、夜の巷へくり出して男をハントしてSEXをする。確かにマンネリになった者同士には、ちょっとした刺激になって、ふたりの愛をいっそう高めることもあるだろう。
しかし、どちらかが本気に浮気の相手に惚れたとき、破局がおとずれてくるのは、当たり前である。
人間にはアキル性質がある。日本料理ばかりではアキて、西洋料理や、中国料理も食べたくなって食べてみたら、これが案外とおいしくて病みつきになることすらあることは、誰もが経験ずみのことだ。
さて、別れるとなると、これがまた大変だ。男と男の仲、さぞかしサッパリしていると思ったら大きな間違いである。
両方が同時に相手にのめりこんだ場合は問題はないけど、どちらか片方が、まだ未練たっぷりのときは、相手を納得させるのに手こずる。
一口に同棲と言っても、いろいろなケースがあるけど、とどのつまりは男と男なのである。ふたりの仲につながっているものは、愛情というつかみどころのない代物だから、そう愛情が冷めてきたときが大切で、どちらかが相手を許してあげる広い心を持っていれば、話は簡単であるけれど、相手が少しでも未練のあるとき、そんな話を持ち出したら、火に油をそそぐようなものだ。
一度でも愛した相手である。心変わりしたといって、相手を根こそぎくつがえすような手段はとらないでほしい。それが人間同士のつき合いというものだろう。」
日本で同性婚が法的に成立する見込みは、残念な話だが、まずないと、ぼくは思っている。
第17回「伊藤文学と語る会」
///////////////////////////////////////////////////////////////
3月23日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「つゆ艸」
住所:世田谷区代沢5-32-13 露崎ビル1F TEL 03-6805-5385
///////////////////////////////////////////////////////////////
| 固定リンク
コメント