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2013年3月 9日 (土)

夢が叶って茂吉の歌碑が建つ!

「代田川緑道保存の会」の代表、林清孝さんに依頼されて、「代田川せせらぎ物語」に、「歌人、斎藤茂吉の歌碑を造るのが夢」という文章を寄せた。

 ついこの間のように思っていたが、その時から5年もの歳月が流れている。そうなると林清孝さんに出会ったのは、それよりも一、二年前ということになる。

 歌碑を建てようという話が、二人の間であったのは、昨年のいつ頃だったのか思い出せないが、そんなに古い話ではない。

『薔薇族』を創刊したときに出会った藤田竜さん、ぼくは相棒に恵まれている。竜さんとまったく性格が正反対だったが、林さんとも同じようだった。だからうまくいって、話がとんとんと進められたのだ。

 世田谷区の土木公園課との折衝は、林さんがあたったが、気が短くて怒りっぽい林さんはいらいらしたに違いない。

 お役人というのは、まず心配することは、大きな石碑を置いて、地震がおき、倒れてけが人が出たらと考える。

 設置の正式の許可をもらうのに、どれだけの時間がかかったことか。昔は桜並木が続き川が流れて、水も美しかったが、昭和3、40年頃から、川の両岸に住む人が急増して、ごみを捨てたりしたものだから、悪臭がただようどぶ川になってしまった。

 昭和40年代になって、下水道が整備され、その上を緑道として、再生された水を流す美しいせせらぎになっている。

 区は少しずつ工事を進め、巨費を投じ、環七から淡島まで、緑道となって区民の散歩道になった。

 お役人は保身を考える。何か事故が起きて訴えられたら大変と、大丈夫だと判断するまでに時間がかかる。次に心配したのは、コンクリートで固められたトンネルに下水を流しているのだが、その上に大きな石を置いて、コンクリートを痛めやしないかと心配する。下水は都の水道局の管轄で、その許可をとるのに時間がかかった。

 正式に許可が下りたのは、歌碑が設置されてからのことだ。その上、設置期限は三年間とある。それは管理上の問題で、ぼくの寿命かと思ったら、また三年経って期限を更新するのだという。

「お役所仕事」とは、よく言ったものだ。何を決めるのにも時間がかかるということだ。

 3月21日(木)午前11時から、12時まで、「斎藤茂吉歌碑と「文學の小路」の石碑完成除幕式を開催するので、ぜひ、ブログを見てくれている人も参加してほしい。

 代田川緑道、つるが丘橋のたもとで、世田谷区代田1丁目43番地・梅丘通りのスーパー「信濃屋」の前を入ったところだ。

 ネットで検索してきてほしい。

 斎藤茂吉は昭和22年に、長男が診療所を開いていた代田の家に、山形の疎開先から戻ってきた。そして新宿大京町に移るまでの3年間を代田で過ごしている。

 疎開先で肋膜炎にかかり3ヶ月ほど、病床にいたので足が弱っていた。

 ぼくの父が茂吉の著書の『童牛漫語』を手がけていたので、茂吉はゲラ刷を風呂敷に包んで、わが家にも立ち寄っていた。そのことは日記にかかれている。

 ぼくが世田谷学園の中学2年生の頃だった。茂吉は62歳、地下足袋をはいて、わが家を訪ねてきたが、荷物が重そうなので、ぼくに茂吉の家まで送っていけと父に言われてしまった。

 腰は曲がり、よたよたしていたが、眼光だけはするどい人だったということを覚えている。何をしゃべったのかは忘れてしまった。

 没後60年、今や茂吉と出会った人は、ぼくしかいないのではと、自慢にしている。

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Bungakusan  <今週の文学さん>質疑応答3
毎週『薔薇族』初代編集長・伊藤文学さんに、ちょこっとインタビューする「今週の文学さん」。
今回は、視聴者からいただいた質問、①『薔薇族』の編集長がノンケであることに対する当事者の反応と、②「性的指向」と「性的嗜好」の境界についてこたえていただきました。


第17回「伊藤文学と語る会」

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3月23日(土)午後2時~4時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「つゆ艸」
住所:世田谷区代沢5-32-13 露崎ビル1F TEL 03-6805-5385

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コメント

いつも楽しく拝見させていただいております。
先日は偶然にも先生と邪宗門にて再会でき、大変うれしく思いました。
貴重なお話を聞くことができ、とても有意義な時間をすごせたことを感謝申し上げます。

残念ながら都合により除幕式には参加できまず、
せっかくお誘いいただいたのに申し訳なく思います。
しかし語る会にはまた参加したいと思います。
どうかそのときはまたよろしくお願い致します。

投稿: 先日の男 | 2013年3月10日 (日) 22時22分

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