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2013年3月23日 (土)

ぼくは人との「出会い」に、運が強かった!

 1955年(昭和30年)8月6日の仙台の七夕祭りに行く観光客を乗せた、超満員の夜汽車の中で出会った、日本女子体育大学の一年生の川島君子。

 叔父さん夫婦に子供がいなかったので、中学生のときに養女になっていた。それがぼくと出会い、恋に落ちてしまったので、家を追われ、スーツケースひとつを下げて、わが家にころがりこんできてしまった。

 日女体を卒業して、世田谷区立の中学校の教師となり、そのかたわら舞踊の道に入って、1960年代に「O嬢の物語」「愛奴」を舞踊化して、大きな話題を投げた。

 事故死(33歳で)するまでの15年間、いろんな出来事があったが、ミカとの出会いから、亡くなるまでの15年間を『裸の女房』(彩流社刊)という本にした。

 その本にサインをと望まれると、ぼくはいつも「ミカと出会ったことの幸せ」と記している。

 舞踏の道に入ってからのミカの進化は、めざましいものがあり、体型も一変し、亡くなる前年の活躍はすさまじかった。まさに疾風のように60年代を駆け抜けて行った、ミカという舞踊家の存在を忘れることはできない。

 ミカのグループ名を「伊藤ミカ ビザ―ル バレエ グループ」と名付けた。「ビザ―ル」とは、風変わりなという意味のようだ。

 マンガ家というよりも、画家といっていい方で、エッセイもよく書かれた富田英三さんという方と、出版の依頼に行って出会った。

 名古屋の生まれで、大阪の新聞社で記者生活を送り、アメリカにも長く住み、『3ドルアメリカ旅行』、画期的な『ゲイ』などの著書もある。

 富田さん、前衛的な若者を集めて「ビザ―ルの会」を立ち上げていたので、ぼくら夫婦も参加していた。

 富田さん、洋画の映画輸入会社の宣伝部長とも親しかったので、とにかくイベント好きで、映画の宣伝のためのイベントも数多く企画していた。

 一番話題になったのは、渋谷の教会の地下の「ジャン・ジャン」で催された、マルキドサド原作の映画「ジュスティーヌ」の宣伝のためのイベント。一般客の他に50名を越すマスコミが集まり、ミカの迫真の舞踊が大きな話題になって、各週刊誌のグラビア頁や、スポーツ紙をにぎわせた。

 富田さん亡きあとにぼくが数えきれないほどイベントを催したのは、富田さんとの出会いがあって、大いに影響されてのことだろう。

 1971年(昭和46年)に、日本で最初に創刊した同性愛誌『薔薇族』、ぼくの呼びかけで出会った藤田竜君、雑誌作りの名人ともいえる才人だった。

 藤田竜君と出会わなかったら『薔薇族』を35年も出し続けることはできなかったし、ゲイ文化の歴史に残るような雑誌にはならなかったろう。

 人との出会いって不思議なめぐり合わせだ。雑誌を出そうと思いたって、僅か数ヶ月で創刊号を出してしまったのだから…。

 ゲイの人でも雑誌を出そうと思った人も、何人かはいたと思うが、せいぜい会員制の雑誌を出すのが精一杯だった。

 父が戦後、間もなくの昭和23年に、株式会社・第二書房を設立していて、社員はぼくしかいないけれど、取次店(本の問屋)8社と、すでに取引があったからこそ、『薔薇族』を全国の書店に配本することができた。

 内藤ルネさんと数年後に出会い、それから多くのすぐれた才能の持ち主との出会いがあって、『薔薇族』は、ゲイの歴史に残る雑誌になった。ぼくは人との出会いに、運が強かったと、81年の生涯をふり返って、しみじみと感じている。

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弥生美術館で、ルネさんと。

第17回「伊藤文学と語る会」

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3月23日(土)午後1時~3時(予定) ※途中参加・中途退出自由。
会費なし(コーヒー代の実費のみ)
会場:下北沢 カフエ「つゆ艸」
住所:世田谷区代沢5-32-13 露崎ビル1F TEL 03-6805-5385

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