オシャレな雑誌は僕にはむかない!
「ラブオイル校長」と、ぼくのあだ名は本人が知らないうちに、ネット上では有名になってしまっている。よろこぶべきか、悲しむべきか。でも、悪い気はしていない。
『薔薇族』は姿を消してしまったが、「ラブオイル」は、消耗品であるだけに、発売してから、すでに30年近い年月が経っているのに、今でも愛用されていて、しぶとく売れている。
大手のゲイ・ホテルの会長さんが「ラブオイル」が、いろいろなものを使ってみたが一番いいと、ホテルでずっと売ってくれているのだからありがたいことだ。
「ラブオイル校長」と名付けられてしまったのは、ビデオ会社の監督に頼まれて、校長の役を引き受けてしまったからだ。
修学旅行に行く高校生を送り出すシーンだけを誰かが、ネット上で見れるようにしたのが、話題になってしまった。
「ラブオイル」は、平成2年(1990年)発行所・株式会社インファス 発売元・株式会社流行通信社から発売されていた、オシャレな雑誌『STUDIO VOICE』
.vol.178に、ぼくは原稿を依頼されて載せている。23年も前のことで、すでにこの雑誌は消えている。
「MEDIA SUPER COLUMN 知る人ぞ知る名雑誌、名番組60」の中の23番目に登場している。「たぎる思いをダイレクトに伝える妖しいメディア・ラブ・オイル」という見出しで。
「この世の中には、なんだバカバカしいと言われてしまうかもしれないけど、涙が出るほど必要なものがある。
もう4~5年前のことだった。こんなもの売れないでしょうかと言って、ある人が持ちこんできたものがある。早速、見本に置いていったものを風呂に入ったときに使ってみた。その心地良さ。若かりし時のあの感動が、しびれるようによびがえってきた。
「これは絶対売れるぞ!」
ぼおーっとした頭にも、そうひらめくものがあった。思えば、かれこれ20年前、日本で最初のゲイ・マガジン『薔薇族』を創刊した、その時のひらめきもオナニーからだった。
学生時代、オナニーにこって、日夜、悩んだことがあったが、それが今になって役に立っている。すべてのひらめきの元はオナニーからということになる。(中略)
ところで僕が、なぜこれを「メディア」としてとらえたかと言うと、理由はカンタン、これこそまさに人と人とのコミュニケイションの媒介物に他ならないからだ。
しかも、この場合、印刷物や、電波と異なり、双方向のコミュニケイションである。男と男、あるいは男と女が(もちろん女と女でもいい)この薄いオイルの膜を通して、「愛」という名の熱い情報を伝え合う。この潤滑油を通過した、お互いの気持ちは、2倍にも3倍にも増幅されて伝わってゆく。もう、立派なメディアとしか言いようがないと思う。こじつけでしょうか? そう思う人はだまされたと思って、一度試してみてください。」
この特集の見出しにある「知るものだけが楽しめる、隠れた名雑誌、名テレビ番組、そして有象無象のメディアの数々。
各界のモニター60人がいま、プライヴェートに受信している気になるメディア情報を、一挙に公開。」とあるから、(中略)と書いてけずってしまった前半のところは、ぼくが書いたものだが、後半の文章は、理屈っぽくていつもの僕の文章じゃないような。こんな偉そうなこと書くわけがない。
編集者にチエをつけられて書いた、こじつけというよりも、デッチアゲのような文章だ。僕は分かりやすい文章しか書けない。オシャレな雑誌には向かなかったようだ。
★新宿で「ラブオイル」を売っているお店。ネットで検索してください。
・FREEMAN新宿店
・CHECK新宿店
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