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2013年7月 1日 (月)

『薔薇族』を堂々と買うことが君の革命!

『遊ち組「ホモエロス」』という、1979年9月9日、工作社から発行された雑誌を見つけ出した。

 松岡正剛さんが構成している。今から34年も前のこと、ぼくが47歳のときだ。よくぞゲイの執筆者ばかりを集めたものだと感心させられる。やたらと気どった雑誌で、書いていることも、ぼくには難しい。

「十二菊華しゃべり噺」というコーナーにはおすぎとピーコ、東郷健、竹宮恵子などが執筆していて、その中に忘れてしまっていたが「ホモであることは、何でもない自然なことなんです。ホモ宣言は、見えない敵に対する革命ですね。」というタイトルで、ぼくも書いている。 

 今、読んでみても間違ったことは言っていないが、あまり進歩はみられない。

「『薔薇族』を出したのは、同性愛の美学とか、三島由紀夫が好きだからというんじゃない。ホモであることは、男が女を好きなのと同じで、何でもない自然のことなのに、世の中の人がとやかくいう。そういう偏見に憤りを感じたから出したのだ。ホモの人自身が後ろめたさを持っていて、ホモであることを隠そうとする。かなり有名な方でも、周囲の人は知っているのに、自分ではそうと知られたくないんですね。

 会社でうわさされて、いたたまれずに辞めてしまうとか、人知れずコンプレックスをもつとか、とにかくホモであることがマイナスのイメージなのだ。

 札幌まで2、3時間、汽車に乗って、買いに行ったという読者の学生がいた。しかも、変装までしてですよ。ぼくはね、明るいところで堂々と読めるような雑誌を作りたい。でなければ敗北だと思う。自分のお金で買うんだし、悪いことをしているわけじゃない。『薔薇族』を買うことが、ひとつの君自身の革命なんだと言いたい。一生、後ろめたい気持ちをもって終わったって、何も楽しいことはないのだから。

 ホモの世界の中で、お互いに悪く言い合うことがあるけれど、これはおかしいと思う。女装している人や、フケ専、外専の人のことを軽べつするものもいる。

 みんなそれぞれ好みがあるんだから、誰を好きになったってかまわないと思うけれど、狭い中でも偏見がある。誰かが認められると、みんなで引きずりおろそうとすることもある。まだ、敵が見えていないのかも。

 アメリカのように、官憲がホモを弾圧するとか、ホモだからクビになったとか、問題がはっきりしていれば、それに向かって闘えばいいけれど、日本ではそういう敵が見えない。だから何に向かって闘っていいのかわからない。

 偏見は見えない敵ですよ。それだけに難しい。ひとり、ひとり説得していくしかない。最初は、一、二年で世の中の偏見をなくすなんて思ったこともあったが、それは無理でした。このごろは、気長に一生かけてやろうと思っている。

 でも、世の中、少しずつ変わってきましたね。今の若い人たちは、ホモだからといって偏見はない。親に言ってしまう人も多くなってきた。

 日本はマスコミが発達しているから、ホモについての知識を一般の人に与えてしまえば、変な目で見られなくてすむ。女性は少女マンガの影響で、とくにその傾向がありますね。

 ホモの友だちがいたとしても、告白されても、自分の亭主がホモだといっても、そういう知識があるから驚かなくなっている。

 それと世の中、全体が女っぽくなってきていて、どこからどこまでがホモという、根拠があるわけじゃないから、男もいい、女もいいという中途半端な人も増えてきた。」

 長い文章なので、続きはこのあとで。

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