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2013年7月13日 (土)

「売春は下水道のごとく必要」とは。

 作家の吉屋信子さんが亡くなったのは、昭和48年(1973年)享年77歳だということをあとで知った。この年はぼくの妹、紀子が、心臓手術の甲斐なく、32歳で亡くなった年でもある。もう40年も前のことだから、吉屋信子さんのことを知っている人は少ないだろう。

 大阪市長の橋本さんの慰安婦の問題発言で、橋本さんを非難する人が多かったが、『ときの声』を読んで、よく考えてほしいものだ。

 吉屋さん、今生きておられたら、今の世の中を嘆かれるに違いない。

 戦時中の慰安婦についての資料などいっさい公表されるわけがない。戦地の報道記者も、こと慰安婦についての原稿は書けなかった。

 吉屋さんは西口克己著の『廓』から引用されているが、驚くべきことが書かれている。

「慰安婦たちを戦地に伴う引率者の男たちは将校待遇の軍要員だったとある。

 引率される彼女たちは第一に(お国のため)と説かれたろうし、また戦地へ行ってからの生活はむしろ甘い気楽なものと嘘も言われていた。

 このお国のための慰安婦挺身隊に応じたのは遊廓の娼妓、或いは娼妓上がり、安芸妓、身を崩した女給たちで編成されていた。その引率者は一人で24、5人を抱える。女一人につき平均五千円を前借りとして渡す。ざっと十二万円の資本でそれだけの女が抱えられる。 現地での収入は女と半分けという契約だったが、内地では妓楼の経営費のほかに税金がかかるが、その恐ろしい税務署も戦地へは追いかけてこない。

 抱主の負担になる女たちのあちらでの食費も女子挺身隊とあらば軍要員用の缶詰類がふんだんに配給されるから食費も無用である。

 引率者すなわち抱主は、こうした好条件で勇躍前線へ出かけたのだった。

 慰安部隊は、軍輸送船で敵の潜水艦の出没する危険水域を越えて、トラック諸島の一つの熱砂の上に上陸する。

 さすがの彼女たちも内地では想像もつかない壮絶な売春のいとなみが日夜続いた。

 翌年、アメリカ空軍がマーシャル群島に大空襲を行い、上陸占領した。

 日に日に切迫するこの情勢下に、将校用の愛妓と、かねて主計将校たちを自家薬籠中のものとしていた抱主たちは、輸送船や空母艦の船底にもぐりこんで送還された。あとに残されたのは、哀れな一部の慰安婦たちだった。抱主たちは稼がせた女たちを置きすてて、もうけた金だけをふところにしてみな逃げ去った。

 やがて島の慰安所は空襲で次から次へと炎上する。残された慰安婦たちは、密林のなかの崖を利用した洞穴のような急造の防空壕へ押し入れられる。一少尉は部下に命じた。
「黙って始末するんだ。あいつらは素人娘でなくて商売女だ。敵が上陸してきたら何をするか知れたもんじゃない。国辱だ。わかったな」

 女たちはみんな銃殺されてしまった。なんとも悲惨な話ではないか。韓国の慰安婦たちもどんなひどいめに会っていたことか。戦争は人間を異常にする。おそろしいことだ。

 過去数百年の1589年(天正17年)豊臣秀吉時代の大阪で「柳町遊廓」を日本の集娼制度の免許地に創始して以来の公認売春は、およそ四世紀にわたる「婦女売買」によって成立したこの国の「公娼制度」、戦後は赤線によって継続されたのが、昭和33年の売春禁止法によってやっと絶滅した。

 それは自らの手で成し遂げたのではなく、占領軍の命令によってとは。憲法もそうだが、真剣に考えなければならない問題ではなかろうか。

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救世軍の慈善活動

第21回「伊藤文学と語る会」

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7月27日(土)午後12時~14時 ※途中参加・中途退出自由。
会場:下北沢一番街、カフエ「占茶」
住所:世田谷区北沢2ー34ー11 リアンビル2階 電話・03ー3485ー8978
会費:各自が飲食した分だけ。コーヒー¥380、ハヤシライス¥600

初めての方、女性の方、ご年配の方、お一人様、大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

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コメント

売春防止法は占領軍に命ぜられて成立した法律ではありません(調べれば誰でも分かる事です)

得意になって妄想を垂れ流すのは、いい加減に止めましょう

投稿:   | 2014年3月22日 (土) 18時33分

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