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2013年7月 6日 (土)

松岡正剛さんって、すごい人だ!

 平成18年1月10日(7年前)に、幻冬舎アウトロー文庫として、『薔薇族』編集長(571円)が刊行された折に、松岡正剛さんが、ブログで長文の紹介記事を書いてくれ、おほめの言葉をいただいた。

 ぼくはネットを見れないので、そのことをまったく知らなかったが、猪口コルネ君が、ぼくのブログを更新してくれるようになって、紙焼にして見せてくれた。読んでうれしかったことがあった。

 その松岡正剛さんと、34年も前に接点があったことなど、まったく忘れていた。あらためて松岡正剛さんに感謝したいものだ。

「だけどぼくはね、バイセクシュアルというのはあまり信じない。そんなの信じていたらバカらしくて、雑誌出していないですよ。

 本当に男が好きで、世間の偏見に苦しんだ、女が好きな人から虐げられているから、一生懸命やっている。編集部を訪ねてくる人は、たいがい自分はバイセクシュアルだと言うけれど、それは見栄ですね。一時的には、どっちでもという人がいるかもしれないが、人間どっちかに必ずなると思う。

 内藤ルネさんと、本間真夫さんが編集して、少女雑誌『薔薇の小部屋』を出したことがある。少女雑誌を読んでいる人って、意外と男が多い。ホモの人は男であって、女性的な繊細さを持っているから、美意識が高い。芸術家だからホモというより、ホモの人が芸術家に向いている。

 ルネさんのマンションを訪ねたときに、江戸時代に造られた、そばちょこでお茶を出されて、これはすばらしいと思ったときから、ぼくは古いもののとりこになってしまった。

 どんな偉い人でも、人に言えない何かしら悩みを持っている。ある大会社の社長さんを訪ねたとき、部屋に本がいっぱい並んでいて、その裏側に『薔薇族』が、家人にみつからないように隠してあるのを見たときに、この人もかとびっくりしたことがあった。その社長は、偶然、新宿の路上で出会った青年を会社に入れて、責任ある仕事につけているということだ。

 その青年はホモでもないのに面倒をみて、女性と結婚までさせ、大事にしている。普通では考えられないような、つながりもあるようだ。

 戦時中、ホモの人の将軍がいて、部下の参謀に自分の好みの男を置いたという話も聞いたことがある。別に一緒に寝なくても、一種の欲望のはけ口として、愛情で教育するような、相手のためなら命を投げ出してもという、同士愛的なものもあった。

 ヤクザの人の世界とか、運動部のシゴキにも多分に、そういうニュアンスがあるのかもしれない。

 ぼくは雑誌を出しても、動物的欲望を満足させるためっていうのはいやだ。読者の人たちも友情以上の、一生つき合えるような関係になってほしいと思う。」

 34年前は、「ゲイ」という呼び名はなく「ホモ」と呼んでいたが、今、読んでみると違和感を感じる。

 寺山修司君を見つけだして、世に出した推理小説家でもあり、『短歌研究』の編集長だった中井英夫さんも「堕天使としての同性愛者・流刑地にて」という一文をこの雑誌に寄稿している。

 その中に『薔薇族』に載せていた、楯四郎さん(NHKのアナウンサーで、早大の国文科出身、多くの小説や、エッセイを残してくれた人)の小説を「舌を巻く構成力で、まさに男色文化は花盛り」と書いてくれている。楯四郎さんの小説集は、単行本にもしたが、アメリカでも翻訳された。プロの作家にほめられて、今は亡き楯さんもよろこんでいるに違いない。
 34年も前に、こんな雑誌を出した松岡正剛さんってすごい人だ。

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第21回「伊藤文学と語る会」

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7月27日(土)午後12時~14時 ※途中参加・中途退出自由。
会場:下北沢一番街、カフエ「占茶」
住所:世田谷区北沢2ー34ー11 リアンビル2階 電話・03ー3485ー8978
会費:各自が飲食した分だけ。コーヒー¥380、ハヤシライス¥600

初めての方、女性の方、ご年配の方、お一人様、大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。

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