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2013年9月 5日 (木)

書評にならない書評?

『ゲイの誕生』匠 雅音(たくみ・まさね)著のあとがきには、こんなことが書いてある。

「数多くの出版社に上梓を断られ続けていた折、彩流社の河野和憲さんに本書が拾われたのは幸運だった。感謝しています。」
 ぼくの著書『裸の女房』『やらないか』も数社に断られ、河野君が拾ってくれた。河野君は早稲田大学出の有能な編集者で、断った出版社編集部社員の見る目がなかったということだ。
 その河野君が企画して、芳林堂高田馬場店で、9月19日(木)19:00〜20:30 FIビル8階で、匠 雅音『ゲイの誕生』彩流社・出版記念トークセッション「ひと・家族・共同体」が開かれる。
 パネラーは著者の匠 雅音さんとぼくだ。河野君に頼まれて安請け合いしてしまったが、タイトルの「ひと・家族・共同体」とあり、河野君が考えたのだろうが、ぼくにはなんのことかよくわからない。
 サブタイトルは「同性愛者が歩んだ歴史」とあり、これは理解できるが、帯に書かれた「歴史を知り、理論的基盤をつくり、自己の存在証明を確立せよ!」これは難しい。
 本を買ってくれるだろうゲイの読者を考えてのキャッチフレーズだろうが、ゲイの人ってあまり自分たちのことを知ろうとはしない。
 かつて「ホモのホモ知らず」という言葉があった。それは自分の好みの男のことしか考えていないからだ。
 
 ぼくはこの本を買ってくれる読者は、女性だと思う。先日、渋谷の試写室で、11月1日から、新宿ピカデリーほかの映画館で全国ロードショーされる、マイケル・ダグラスとマット・デイモン主演の「恋するリベラーチェ」を見せてもらった。50人ほどしか座れない座席に半分ぐらいしか見ている人はいなかったが、永六輔さんと同席して見ることができた。
 
 ゲイの夫婦の話で、こんなにゲイのいい面、悪い面を赤裸々に描いた映画はなかったのでは。この夫婦の心理を、理解できるのは女性ではないかと思った。
 
 永六輔さん、ラジオ番組から降板するというニュースが流れた日だ。つえをついてやっと歩き帰っていく姿は痛々しかった。そんな永さんは、この映画をどうしても見たかったのだろう。
『ゲイの誕生』の著者の匠さん、この本を書き上げるために、多くの文献を集め、それを熟読してまとめあげる。ぼくにはとってもできない作業だ。
 
 こうした本は、現在の出版界では出す出版社はないから、ゲイの歩んだ苦難を知る貴重な本であることは間違いない。
 まず、ぼくのブログを読んでくれている全国の人たち。近所の図書館に行って、こんないい本があるので、仕入れてくださいと頼んでほしい。もちろん、手許に買って読んでもらえればいいけれど。
 ぼくのことを書いてくれている、くだりがある。戸籍研究者の佐藤文明さんの文だ。ぼくが経営していた、新宿の「伊藤文学の談話室」でのことらしい。
「1980年12月のはじめ、ぼくは新宿のとあるスナックにいた。
 その店の客はまっぷたつに分かれていた。半分はいかにも学生で、まだ高校生にしか見えぬ者もいる。彼らは互いにスズメのようにしゃべっては笑い転げている。残りの半分は、働き盛りを過ぎ、安定した余裕を感じさせる中年。ドカッと腰を下ろし、言葉もなくグラスを傾けている。目だけがときどき若者たちの上をはうだけだ。」
 
 さて、トークショッション、どんなことになるのだろうか?

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コメント

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投稿: サマンサベガ | 2013年9月25日 (水) 17時06分

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