« ぼくは死を恐れない! | トップページ | 婦人会まで見学した軍隊のM検! »

2013年9月14日 (土)

孤立している老人たちに幸せを!

『薔薇族』が廃刊になってから、後をひきついで復刊したいという出版社が現れたとき、ぼくは若い層をねらわずに、高齢者に的を絞るべきだと言った記憶がある。

 それが現実になってきたようだ。2013年7月31日の毎日新聞夕刊の「特集ワイド」が『「熟年の性」ブーム過激に 探り当てた「売れる新ジャンル」 ハウツーより読み物として』と、「熟年の性」ブームをとりあげている。

「週刊現代」「週刊ポスト」が競って取り上げているのが「熟年の性」の問題だ。「若者はスマホに夢中で雑誌を読もうとしない。そっちは半ばあきらめて、かつてのおじさんたちに読み続けてもらえるよう配慮し始めたのではないか。

 読者とともに雑誌も老いてきたということでしょう」と、国際文化研究センター教授の井上さんが語っている。

 週刊誌の狙いは、60代、70代で、ぎりぎり80歳までのようだ。ぼくは81歳だから、すでにこのわくからはずれてしまっているのは情けない。

 ちょっと話がはずれてしまうが、『薔薇族』の読者だった人たちも、今では70歳、80歳を越えているに違いない。

 都会に住んでいる人は、ゲイバアやハッテン場にもいけるだろうが、地方に住んでいるひとり暮らしの読者のことが心配だ。

 山口県周南市金峰の民家から、男女5人の遺体が見つかった連続殺人・放火事件で、被害者一人に対する殺人容疑などで逮捕された同じ集落の無職、保見光成容疑者(63)のことをマスコミも、心理学の先生も、彼の心の奥底に持つ、本質的なものに触れている方は一人もいない。

 ましてや警察の人たちは、外見からしか人を見ないから触れるわけはない。ただ、ぼくが彼を同性愛者的な素質を持った人だと断定してしまうことは大きな問題がある。

 同性愛者だから異常な事件をおこしてしまったと思われては困る。たまたま彼がいろんなことが重なり追い込まれておこしてしまったということだ。

 彼は5人兄妹の末っ子で、上の3人が女性だということ。おそらく母親に溺愛されて育ったに違いない。年老いた両親を看病し、父亡きあと、母親にもつくしたと思う。

 その母親亡きあと、彼はまわりの人たちとなじめず孤立していった。『薔薇族』の読者は被害妄想の強い人が多いようだった。「悪いうわさを流されて頭にきた」と、5人を襲った理由について話しているそうだが、集落の他の住民から疎外され、小さないざこざが、だんだん彼の頭の中で大きくなっていったのだろう。

 彼の家の玄関に飾ってある、いくつものオブジェのようなもの、これは女好きの男にはできないことだ。美意識と感性を持っている。

 家も自分で建てたようだが、これも変わっている。それと硝子戸に貼られた文字も面白いし、書かれた文章もなかなかセンスがいい。

 十何人しか住んでいない集落で、みんな高齢者ばかりでは、彼と話があうわけがない。ネットもおそらく使えなかったろう。

 彼の部屋の中がどんなになっていたのか。調度品、本など、彼の趣味が分かれば、もっと彼の心の奥底をのぞけるのだが。

 どこもかしこも高齢者ばかりになってしまって、一日中テレビばかり観て、誰ともしゃべらずに一日を過ごしている人が、たくさんいるのでは。本当は心のやさしい男だったに違いない。彼は今の社会の犠牲者であると言えるのではないか。

 ソルボンヌさんのマンガのネタにされても、ぼくはまだまだ幸せ者かもしれない。

|

« ぼくは死を恐れない! | トップページ | 婦人会まで見学した軍隊のM検! »

コメント

ステレオタイプの偏見ですね。

投稿: GB | 2013年9月14日 (土) 01時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/58005817

この記事へのトラックバック一覧です: 孤立している老人たちに幸せを!:

« ぼくは死を恐れない! | トップページ | 婦人会まで見学した軍隊のM検! »