ドラマの中の『薔薇貴族』にびっくり!
『薔薇族』の知名度が、驚くほど高いということを、このドラマを見て知った。
テレビ朝日・開局55周年記念二夜連続ドラマスペシャル「オリンピックの身代金〜1964年の夏〜」
直木賞作家・奥田英朗の小説をもとにした、二夜連続のドラマで、1964年の東京五輪開催をテーマに、社会問題をからめて、サスペンスに仕立てた、テレビ朝日が総力をあげて製作した第一級の娯楽作品だ。
秋田県の貧しい家庭出身の東大院生・島崎国男(松山ケンイチ)が、五輪関連施設で働いていて、大量のダイナマイトを盗み出した。その火薬を扱う北野火薬を刑事が調べに行くのだが、地下室にダイナマイトが置かれていて、その奥の部屋に入るのを社長はなぜかこばんだ。
刑事はそれを押し切って、中の部屋に入ったら、なんと隠していたのが『薔薇貴族』という雑誌だった。社長には奥さんもいる。
いわゆる「隠れゲイ」だったのだ。ハンサムな東大院生・島崎国男に社長を好意をもっていたようだ。
残念ながら、オリンピックが開催されたころには、『薔薇族』は創刊されていない。奥田さんの原作に、『薔薇貴族』が載っているのか、隠れゲイを視聴者にわからせるには、『薔薇族』の知名度を利用したのだろう。
北野火薬の社長が、『薔薇貴族』を隠し持っていただけで、隠れゲイだということを知らせることができたのだ。これは脚本家が考えついたことかもしれない。
1960年代、同性愛者たちは、この社長のように、女性と結婚しないわけにはいかなかった。世間の人たちも、ゲイの人たちを異常視していたし、ゲイの人たちも自ら異常者だと思い、悩み苦しんでいた時代だった。
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞の4誌のドラマ評を読んだが、ぼくが一番すぐれていると思ったのは、(京)とサインしてある、東京新聞のドラマ評だ。
東京新聞は単なるドラマ評ではなく、もう少しふみこんで、今の時代が当時のオリンピックが開催されたときより、何が変わって、何が変わっていないかを疑問視している。
「落合(刑事)が住む、当時最先端の団地の様子。一方、島崎の出身地、秋田の農村の貧しさ。華やかな舞台の陰で過酷な労働を強いられる人々がいた。
首相の「原発汚染水コントロール」発言。そして再び東京オリンピックが決まった今、タイムリーな作品だ。
日本は50年前となにか変わったのか、変わっていないのか。豪華な俳優陣が織りなす、一つ一つの場面に考えさせられる。(京)」
50年前のオリンピックのときのように、高速道路を作ったり、大きな道路を作ったりして東京中が、ほこりまみれになるようなことはないと思うが、どんなことになるのだろうか?
そろそろ3年が経つというのに、東北大震災で被害を被ったところの復興が遅々として進んでいない。オリンピックよりも被災地の復興のほうが先だと思うけれど。
「テレビ朝日」の「報道ステーション」で、フランスの核のゴミ処理現場を紹介していた。フランスは地震が少ないので、地下500米も掘って地質のいい場所に、10万年も先のことまで考えて、施設を作っている。
地震国の日本では、核のゴミを捨てる安全な場所はないのでは。原子力発電所など、とんでもないものを建設してしまったものだ。
女性と結婚せざるを得なかった、50年前のゲイの人たち。今の時代は、少しは良くなっているのだろうか。
第25回「伊藤文学と語る会」
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12月21日(土)午後12時~14時 ※途中参加・中途退出自由。
会場:下北沢一番街、カフエ「占茶」
住所:世田谷区北沢2ー34ー11 リアンビル2階 電話・03ー3485ー8978
会費:各自が飲食した分だけ。コーヒー¥380、ハヤシライス¥600
初めての方、女性の方、ご年配の方、お一人様、大歓迎!
お気軽なご参加を、お待ちしております。
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