いつの世でも、弱いものはいじめられる!
しばらくぶりに日比谷公園に足を踏み入れた。2月といえば、東京は一番寒い日が続き、池の水が凍り、鶴の噴水がつららで垂れ下がる光景が見れたものだが、2月3日は18度のあたたかさ、春のようだった。
午前中だから人も少なく、美しく清掃された池のほとりのベンチで、しばらく鶴の噴水に見とれていた。
鶴の噴水の銅像は、日本で3番目に古いもので、かつては台座も銅でつくられていたが、戦時中に軍に持って行かれ、石の台座になっている。
今のぼくは噴水に見とれているようなのんびりした状態ではない。すぐ道をへだてた建物の東京簡易裁判所(民事)に、10時30分に出頭を命じられていて、少し早く来すぎてしまったので、日比谷公園のベンチに座って、時の経つのを待っていただけのことだ。
このあたり、検察庁、法務省などのお役所が並んでいるので、警察官が歩道のあちこちに立っている。
玄関を入ると、金属探知機がとりつけられていて、荷物も調べられる。ひどい世の中になったものだ。
債権回収会社に訴えられたのは、平成5年11月に、女房の古里の弥彦村にオープンさせた「ロマンの泉美術館」に使用する電話機のリース代を払いきれていなかったからだ。
電話機を売る会社が、未払の取り立てを債権回収会社に権利をゆずっていたのだ。
301号法定に入ると、後ろの席には10人ほどの訴えられた人たちが待っている。正面の高い座席には裁判長と両側に2人と、下段にひとりが並んでいる。
左側に人相の悪い債権者が座り、テーブルをへだてて右側に被告席。順番がきて椅子に座ったが、裁判長の声が、ぼそぼそ声で聞きづらい。「年をとって耳が遠くなってきたので、大きな声でお願いします」と、頼んでしまった。
あらかじめ毎月、分割で¥30000ずつ払いますと、書類を提出していたので、話は簡単でその通りになったが、驚いたのは、70万足らずの未払金に、利子が年利14.5%も加算されていて、150万を越すお金を4年と2ヶ月かけて払わなければならない。
お金がなくて払えない人から、高利貸しのような利子をとるなんて、だれがこんな法律を決めたのか。お金持ちには安い利子でお金を銀行は貸すが、貧乏人が借りようとすると高い利子をとられる。
訴えられて呼び出されてる人を見ていると、若い男も多い。何かを買ってリース代を払いきれずに訴えられたのだろうか。
お店を出し、冷蔵庫などの備品を買い、一年もしないで店じまいになったりして、リース代を払えず訴えられるというケースも多いのでは。
友人に頼まれて、うっかり連帯保証人になったりすると、友人が借金を返せないと、催促は保証人の方へ。当然のことだが、断りきれない場合もあり、これは難しい問題だ。
外に出て建物の写真を撮ろうとしたら、敷地内では駄目と叱られてしまった。道をへだてた遠くからならいいそうだが。
こんなに多くの人が借金を払えずにいるということだ。
冬季五輪の舞台、ロシアのソチ。
2月4日の東京新聞によると「泣き叫ぶ子どもたち。自宅が壊されるのをただ呆然と眺めるしかなかった。
一昨年10月、エレーナ・チョバニャンさんは同じ敷地に立つ、三軒の家を強制的に壊され、土地を奪われた。」と。
まだ日本はいいほうか。弱いものはいつまでもいじめられっぱなしだ。
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コメント
リース会社も、なけなしの運転資金で経営しているのでしょう。それで困って、損をしてでも債権を安く転売したのでしょう。14.5%の金利では、リース会社の赤字の損失の穴埋めにもならないでしょう。
もし、立場が変わって、伊藤さんがリース会社の側の立場でしたら、本文の逆の意見を言うでしょう。
中立の立場から、本文を読ませていただきました。
投稿: GB | 2014年2月18日 (火) 02時09分