ベッドからころがり落ちてしまった!
ぼくの部屋は、6畳で仕事部屋兼寝室だ。壁面には、軍帽、美術館で飾っていた絵画などが、ところ狭しと並んでいる。
昨年の12月に『ぼくどうして涙がでるの』を復刊した折に、日活(株)の社員の佐藤美玲さんが、49年も前の映画のポスターを探して送ってくれた。
電話の声しか聞いたことがないが、名前のとおり、鈴のように美しく、優しい声の女性だった。感激したぼくは、ヨーロッパの古い絵はがきなどをお礼に送ってあげた。
年が変わって、石原裕次郎さんのカレンダーを送ってくれた。通販でぼくは裕次郎さんの「カバーソング・コレクション」全5巻のCDを買い求め、寝る前にベッドの中で聴いている。
昭和の時代にヒットした曲を裕次郎さんが歌っている。「小樽のひとよ」「くちなしの花」「シクラメンのかほり」など。ヒットした歌って、曲もいいが、なによりも詞がいい。
裕次郎さんの歌声は、甘く、やさしく、心にしみる。さすが昭和の大スターだ。他人の歌を自分のものにしてしまっている。
朝起きて、ベッドの上にあがって、カーテンを開けた。壁に飾っている、フリーマーケットで300円で買った、くまだか犬だか分からないぬいぐるみの人形と、いつだったか道路を歩いていたら「ご自由にお持ちください」と書いてあり、ダンボールの中におもちゃやぬいぐるみなどが入っていた。
その中に、北海道のおみやげ品だと思うが、熊よけのすずが目に入った。すずの部分の絵は手彩色だ。安物ではない。それなりの値段がしただろう。
ちょっと飾っている位置が悪いので、画鋲を直した瞬間、もろにベッドからころげ落ちてしまった。
ぼくより2歳年上の姉が、去年の暮に部屋の中で、つまずいてころげ、手首を骨折したという話を聞いたばかりだ。
ころがり方がよかったのか、手足はなんでもない。頭をうったが、コンクリートの壁でなくて、扉は薄いベニヤ貼りだったので、コブもできなかった。
腰を強打したが、押せば痛いけれど、たいしたことはなかった。永六輔さんもころんで大怪我をしたようだが、老人がころぶのは一番こわい。寝込んでしまったりしたら、歩けなくなってしまうからだ。
ベッドの上は、ふわふわしているから、一瞬よろけてしまったのだろう。ぼくはありがたいことに、杖なしでいつも歩いているのだから、これからは用心してころばないようにしなくては。
カフエ「つゆ艸」のご主人に、腰を打つと、翌日から痛くなるとおどかされたが、だんだん、痛みもなくなってきている。
ぼくはどんなときでも、打たれ強い人間なのかもしれない。
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ベッドからころがり落ちてしまった!: 伊藤文学のひとりごと
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投稿: Replica Oakley Jupiter | 2014年3月28日 (金) 01時12分