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2014年4月 7日 (月)

変わらぬ好奇心と恋愛感情を!

 文藝春秋社から刊行されている「オール読物」という雑誌の存在は知っているが、買って読んだことはない。通巻984号とあるから、かなり歴史のある雑誌だ。
 
 胡桃沢耕史(直木賞作家)さんに連れられて、文藝春秋社の「オール読物」の編集部を訪ねたことがあった。
 そのころは清水正二郎というペンネームでエロ小説を書きまくっていたのが、直木賞を取るべく、エロ小説を書くことを一切やめていた頃の話だ。
 
「オール読物」に掲載された小説が、直木賞の候補になることが多かったから。清水さん、せっせと作品を「オール読物」に持ち込んでいた。
 
 ロビーの喫茶室で待っていたら、編集部の人がワイシャツ姿で現れた。ぼくが名刺を出したら、その人、部屋に戻って、スーツの上着を着て、また現れた。『薔薇族』編集長の肩書に敬意を表したからだろう。
 
「オール読物」なんて、小説を読まないぼくには無縁の雑誌だが、編集部の人から電話があって、『薔薇族』のことを取材したいということだ。
 
 2月のある日、渋谷の東急プラザの5Fのカフエで待ち合わせた。カメラマンまで来ていて、先に写真を撮った。最近は記者が撮ることが多いのに、さすがは文藝春秋社だ。『薔薇族』の2代目の編集長・竜超くんも一緒で、記者が話を聞いて記事にするのかと思ったら、北尾トロさんというライターの人が同道されていて、その人が記事にするということだ。
 
 北尾トロさんが編集している『季刊レポ』という雑誌を文学フリマで販売していて、そこで竜超くんと出会って親しくなったようだ。
 竜くんと出会ったことが、今度のぼくとの取材ということになったというわけだ。
 
「オール読物」の4月号が送られてきた。当然、竜超君のことが半分は書かれている。『薔薇族』は不死鳥の如く! というタイトルは、竜くんが今でも出し続けているのだから……。
 
 4月号は「女流官能短篇集」の特集だ。小説は興味がないから読まないが、「不思議の国のエロティシズム」というコーナーに入れてくれていて、サッカーの元日本代表監督、フィリップ・トルシエさんの「工場の機械のような日本のセックス」と、「永遠に変わらないものが恋愛」は、作家の渡辺淳一さん。「女たちの欲望は加速する」三浦ゆえさんの読物は面白かった。
 
『失楽園』の作家、医者でもある渡辺淳一さんの話には驚かされた。ぼくが出版の仕事をしていたころは、官能小説の書き手は、ほとんどが男性だった。それが今の時代、男性作家は恋愛小説を書かないのじゃなくて、書けなくなってしまっているそうだ。
 一般男性だけでなく、男性作家の草食化も進んで、女性へのこだわりとか執着とか、欲望ってのがあまり無いみたい。
 
 恋愛小説は恋愛を体験していないと絶対書けない。だから男性作家が恋愛を経験していないということ。女性への欲望が薄くなったのか、推理とか、頭で書く資料小説だけになってしまった。
 なんとも寂しい話だ。そう言えば、清水正二郎さんなど、頭に浮かんでくる官能小説を書きまくっていた作家たちは、すでにこの世にいない。
 
 渡辺さん、最後に記者の質問に答えて、こんなことを書いている。若さを保つ秘訣とはに、「やはり、変わらぬ好奇心と恋愛感情を持ち続けることだね。」
 
「オール読物」小説の間に挟まれている軽い読物がいい。永井義男さんの「江戸春画考=女の値段」は勉強になりました。

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