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2014年10月25日 (土)

スマホを持ち歩かねば生きていけない人って!

「文ちゃんと語る会」の会場になっている、カフエ「織部」。住所さえ書いておけば、初めて訪ねてくる人でも、スマホを持っていれば簡単にたどりつける。
 
 車もカーナビをつけていれば、どんなところでもたどりつけてしまうのだから、便利な時代になったものだ。
 
 ぼくの若い頃、1965年(昭和30年)、今から59年も前の話だ。こんな時代があったということを今の若い人にも知っておいてもらいたいものだ。
 
 先妻のミカと、夜汽車の中で出会い、1956年には、我が家にころがりこんできた。日本女子体育短期大学の2年生のときだ。
 
「週刊新潮」が創刊、週刊誌ブームが始まる。石原裕次郎の「太陽の季節」「狂った果実」がヒットし、歌謡曲では「ここに幸あり」「若いお巡りさん」が歌われていた時代。
 
 ミカは体育の教師になることが夢だった。ミカの日記には、こんなことが書かれていた。
 
「就職のための履歴書を何枚書いたことか。私は夜になると使いつけない、すずりと筆を持ち出して履歴書を書いていました。親類の中学の校長先生からいただいた、都内中学の校長先生の名刺を並べては、明日はどんな順序で学校を回るか、地図の上で探していました。
 
 東京に出てきて2年しか経っていない私には、まるで方向がわかりません。ある時は商店街を、ある時は住宅街をと、行きずりの見知らぬ人に道を聞いたり、交番で地図を書いてもらったりしながら、一枚の名刺を頼りに歩きました。
 
 せいぜい、一日尋ね歩いて三つの学校しか歩けません。ようやく名刺の裏に書かれた先生のお宅を探し当てても、留守であったり、たまたまお会いできても、「悪い時代に生まれましたね」ということで、就職口などどこにもないような、絶望的な日々が、一ヶ月ほど続きました。
 
 卒業式が終わった翌日から、一日として歩き回らなかった日がなかった、一ヶ月でした。偶然にもある学校の校長先生から拾われました。
 
 そのときも何か運命的な大きな力を私は感じました。東京を隅から隅まで歩き尽くしたように思っていたのに、その学校は自宅から歩いても30分と、かからないところでした。もちろん時節がら専任の教師になれるはずはありません。校長の話だと、他に例のない待ち時間の多い、特別時間講師になるでしょうということでした。
 
 入学式から二週間が過ぎたとき、私は急に五月一日付けの辞令をいただき、専任の教師という夢はついに実現したのです。
 
 早速、母校に専任になれたことを報告に行ったところ、四百人近い卒業生のほとんどが体育の教師を希望し、そのうちの半数が都内での就職を希望していたそうですが、専任の第一号になったそうで、教務課の先生方がよろこんでくれたのに、私は悲しい気持ちで眺め、一方ではそれだけに良い先生になりたいと思ったものでした。こうして私は教師の道を歩み始めたのです。」
 
 学生時代に朝顔園にアルバイトに行ったぐらいで、履歴書など一枚も書いたことがなく、親父が始めた株式会社「第二書房」の出版の仕事を無休で勤めたぼくとは、ミカの生き様は全く違う。
 
 ぼくと正反対で、頭が良くて努力家のミカ。ぼくと出会ったことがよかったのか、悪かったのか。
 
 東京中を地図を頼りに、学校や、校長の家を尋ね歩いたミカ。その努力が報いられて教師になれたよろこびは、本人にしかわからない。便利になった時代の若者たち。果たして幸せといえるのだろうか?(写真は新婚時代のミカとぼく)
 
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コメント

昔 10代の終頃,近所のガキ共,引きずり込んで しょっちゅう,しゃぶってもらったり,しゃぶってもらっていた.あの噴射の 瞬間の激痛のような気持ち良さ,とても筆舌には--良く近所のガキあげて
しゃぶってもらった.
もう気持ち良いなんて物じゃ無い.痛い位の発射した時の快感流石にもおっもおっ口を離す あのドクンドクン 吹き出す時の快感
本当に生きていればこそあの射精快感十代の頃の激痛みたいな快感は年を重ねる程,弱く成るのは皆,仕方ない.

投稿: 川崎オッサンおじさん | 2014年10月30日 (木) 02時44分

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