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2014年10月20日 (月)

2丁目の男たちの愛の葛藤が、ミステリアスに描かれる異色作! 『東京〜ここは硝子の街〜』 松下芳雄

 世界最大のゲイタウンと称される新宿2丁目。そこに集う男たちもさまざまだ。自らの嗜好に叶う相手を求めてさまよう者もいれば生活の糧とする者もいる。この映画は夢と愛を求めてこの街に生きる美しい男たちの宿命的な出会いと歓び、そして葛藤を飾らず、誇張せず、ありのままに捉えた異色作だ。
 
 中心となるのは若いバーの経営者でモデル、そして「東京ボーイズ・コレクション」を企画、主催するトオルと偶然、彼に助けられた韓国人ヨン。日本で芸能界デビューを志すヨンだったが追い詰められて無銭飲食をするほどに。その現場で知りあったのがトオルだ。
 
 生活費を稼ぐためヨンは売り専バーで働き出し再会したトオルと愛しあい同棲。しかしヨンが芸能プロ社長の甘言に乗せられ肉体関係を結んだことを知ったトオルは不信感をいだき、同棲していた家から追い出す。けれども失うものの大きさを悟ったトオルはヨンを許し、二人はより深く愛し合うようになるのだが……。
 
 男と男のデリケートな感情の起伏が三島由紀夫の名作「仮面の告白」のモチーフを借りて描かれる。傷害から殺人に至る悲劇。闇世界の存在や刑事の執念、謎めいた熟女たちの行動と、ミステリックな物語が20年前に起きた殺人事件と行き来しながら展開する。
 
 カナダのモントリオール世界映画祭「フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門」にも正式招待され、寺西一浩監督、主演のJK、中島知子らが公式上映に臨んだという注目作。ヨンに扮するのは韓国KMTVの人気番組「ミュージックタンク」でMCとしてデビュー、現在は俳優・モデルなど多彩な活動をしているJK。トオルには2010年のベストジーニスト賞1位、モデルであり、自己写真集「激アツ」の出版など、ミュージカルの舞台や俳優としても人気の木村敦が複雑な心理表現を要求される難役に挑戦してみせる。
 
 2丁目が舞台の作品は意外と少ないし、お仲間には必見。もちろん一般向けの本格ドラマとしても見応え十分。ぶっつけ本番、手持ちカメラによるロケなど場所が場所だけに貴重かも。ゲイの世界に食い入った構成。大胆な交歓シーンも随所に。
 
*監督・原作・脚本:寺西一浩 脚本:入江おろぱ 主演:JK 木村敦 中島知子 内山磨我 田島令子ほか
2014年/日本映画/カラー/ビスタサイズ/105分
11月8(土)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次ロードショー公開
配給:ムービー・マジック 株式会社HumanPictures
配給会社:アルファビル
 
★試写会に誘われたのですが、観に行けず『薔薇族』誌上に映画評を書き続けてくれた、松下さんに映画評を書いてもらいました。
 
20141017

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