35年間、『薔薇族』を出し続けてよかった!
「世田谷学園同窓会会報」が送られてきた。2014年度入試合格者数(既卒者を含む)が載っている。
東京大学7名、早稲田大学110名、慶應義塾大学79名、上智大学103名、東京理科大学147名、ぼくの母校、駒澤大学は29名だ。
この数字を見たら親がなんとしても世田谷学園に入学させたいと思うのは、当然のことだろう。世田谷学園に入学させれば、いい大学に入学できると思うから、自然と頭のいい学生が集ってしまう。
彼らはどんな勉強をしているのか。授業が終わって帰宅してから、また、塾に通っているのだろうか。
難関を突破して東大に入学した学生たち30名ばかりを目の前にして、教壇に座っている劣等生の代表のようなぼくがいるなんて不思議な気がした。
話を始める前に、本をほとんど読まないので、同性愛を学問としては語れないが、35年『薔薇族』を出し続け、多くのゲイの人たちと出会い、さまざまな体験をしたことをざっくばらんに語りたいと、ことわってしゃべり出した。
ぼくを招いてくれた、石丸径一郎先生から「学生にとってもなかなか聞けない、貴重なお話でしたし、私自身も楽しめました。また何かの機会によろしくお願いします。」とのお礼状とともに、学生たちの講演を聞いての感想文を送ってくれた。
先生の話だと、女子学生は2割ぐらいしかいないそうだ。その理由は東大出というと、嫁の貰い手がないからとか。釣り合いの取れる男性が少ないということなのか。
その少ない女性の感想文を引用させてもらう。
「大変貴重な話を聞かせて頂き感謝しています。お名前だけは存じ上げていたが、まさかお会いすることが叶うとは思ってもいなかった。また機会があれば、ゆっくりとお話しを伺いたい。」
「世代の違う人から同性愛など、性に関する話が聞けて、日本での扱われ方がわかった。ゲイではない立場から同性愛のこといついて、活動してきた体験談はおもしろかった。」
「当事者でないのに、ここまで同性愛文化に深く関わった方のお話を聞けて興味深かったです。同性愛を“趣味”と表現することには、私も違和感を覚えていました。リアルな経験談も聞けて面白かったです。笑」
「これまで講演されてきた方は、若い活動家が多かったと思うのですが、伊藤先生は戦後の偏見の強い時代において、35年も続けてこられたという点で、お話にも最も説得力がありました。
活動家にしても、当事者(ゲイ)の方が圧倒的多数でありので、かなり自身の経験に則した主張をなされていたのですが、伊藤先生は真に客観的にゲイの世界を観察され、理解されていたことに敬服しました。」
「出版会における同性愛の歴史と共に、社会の裏側を見たように感じました。
伊藤先生のようにノンケなのに、35年もの間、同性愛の雑誌を出版している方がいると知って驚きました。
いろいろな意味で、あけすけな話が聞けてよかったです。」
少年愛の話と、バイセクシュアルの話には疑問を持つ人がいたが、ほとんどの人が面白く聞いてくれたのはうれしかった。
こんな機会を作ってくれた石丸先生には感謝するばかりだ。もっと少人数で、お互いにおしゃべりすることができればいいのだが。
石丸先生のゼミに参加している学生たちだから、個人的には悩みを持っているようにも思えた。
世田谷学園同窓会会報から
「文ちゃんと語る会」
2015年1月24日(土)夕方5時〜7時
「織部下北沢店」
〒155−0031 世田谷区北沢2−2−3
TEL 03−5432−9068
女性も歓迎、ぜひ、お出かけください。
| 固定リンク
コメント