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2015年2月28日 (土)

ゲイは女性と結婚すべきではない!

『薔薇族』を創刊して数年を経た頃の話だ。この時代はゲイの読者にとって、異性との結婚問題が大きな悩みだった。
 今の時代と違って、異性と結婚しないわけにいかず、独身を通すということが難しかった。
 
 そんな時代に女性から寄せられた投稿だ。この女性、27歳だそうだが、かなり教養のある女性で、ゲイであるご主人を理解しようと思えば思うほど苦しんだに違いない。
 
「朝、新聞のテレビ番組欄を見て、はっと眼にした見出しに急いでスイッチを入れた。
 (女の学校)私と同じ悩みを持った人がいる。長い間、ひとりで悩み続け、誰にも相談することができず、胸が痛いほどの毎日を送ってきました。
 
 こういうとき、女性はどういう立場をとったらいいのだろう。私はどうすべきなのか?
 何か参考になればと思い、テレビを観ていました。主人が私に隠して読んでいる『薔薇族』で、伊藤さんのことを知りました。
 
 私はいつかは主人が目覚めてくれる日がくると信じて(教養もあり、誠実な人)いたのに、この世界は先天的なものでしょうか。これを聞いて本当にショックでした。
 
 自分なりに主人を理解しようと思い、聖書を読み、ジイドの『背徳者』『狭き門』を読み、心理学の本も読み、原因はなんなのか、幼いころの家庭環境によるものなのか、それとも私に魅力がないからか、と、自責してもみたり……。
 
 今では、人間が人間を愛することに変わりはない、たまたま主人の愛の対象が同性であるのだと、自分の年齢では(現在、27歳)不思議なくらい悟りきってしまった。
 
 伊藤さんがお書きのように、偏見をもたず、光の当たるところで、社会的にも認められる日がくることを願って、雑誌を出し続けていることは立派で、私も拝読してなるほどと思うこともあります。
 しかし、自分の主人がとなると、本当に複雑な気持ちになります。5年間の交際ののち、私の目で選んだ、夫のこの秘密を誰に打ち明けられましょう。
 
 私がこのことを知って、愛がだんだんと薄れていったら幸いだと思うのですが、理想的な主人ですし、優しいので別れることはできません。
 しかし、毎日の生活の中に、なんとなくついてまわる小さい暗い影。ふっとひとりになったとき、涙が出てしまう。忘れよう、忘れようと思っていても、どうすることもできない気持ちがこみあげてくる。
「夫婦の絆」とは、なんなのだろう。本当は愛なんていらないのかも。尊敬できたらいいのではないかと自問自答してみたり……。
 
 そして自殺も考えた。これ以上、問いつめたら、私はきっと主人を憎しみぬき、みにくい人間になりはしないかと……。
 
 私はだまされたのだ。だましたのではなく日本の社会の機構が、周囲の人の手前、と言いたいでしょうが、結局、結婚したということは世間体のためだった。
 
 私が言いたいのは、この世界の人は絶対に女性と結婚してはいけない。この精神的苦痛は、浮気したとか、家庭を捨て駆け落ちをしたとかより、もっと、もっと重いものだ。私も、相手が女性だったら少しは気が楽になれただろう。
 この世界の人が本当に社会的に認められるとしたら、他人を不幸にしてはならない。」
 
 東京に住む、一女性からの投稿だ。
 ご主人が悪いわけではない。奥さんも悪いわけではない。異性と結婚しなければならなかった時代が悪い。懸命な奥さん、すべてを知り尽くしていた。世間体を気にせず、ひとりで生きた人こそ、本当に男らしい人間と!
 
Img_3011

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コメント

こんばんはー。
伊藤文学様。
薔薇族と初めて出会ったのは26年前の今頃、中学3年の頃たまたま駅のトイレの個室に落ちてたのを見て、なんだろこれ?と訳も分からず、開いて外国人のヌード写真に強い衝撃を受けたのを鮮烈に覚えてます。
それから高校時代はまあまあの進学校の男子校に通い、薔薇族もゲイも封印し、大学生になって時間に余裕ができてバイトもするようになり、おじいさんやおばあさんがレジしてる本屋を選んで薔薇族を周りの目を気にしながら、おどおどし買って、更には二丁目に飲みに行くようになりました。今でも新橋、新宿のゲイバーでも飲んでます。
ゲイは女性とは結婚すべきでない!確かにそうです。でも、やはり、ゲイライフを楽しみつつも、過去、今でもゲイであることを否定したくなるときがあり、いつかは女性に目覚めるのでは?なんてあり得ないことを妄想する自分もいて、こんな中途半端(とことんゲイライフを楽しもう!一生付き合える相方を探そう!などいう気持ちが弱い) では死ぬ直前に後悔してしまうだろうという自分もいるのです。
ゲイ友の中には結婚した人もいるし、結婚して子供が大きくかってから、いよいよ活動して知り合った人、飲み屋でも既婚者はいます。
結婚すべきでない!→相手が苦しむから!確かにそうだけど、そんなに単純なことでもないと思います。
生意気なコメントでした。お許しください。

投稿: Ak | 2015年3月 9日 (月) 00時14分

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