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2015年3月28日 (土)

「東急プラザ」よ さようなら!

 2015年、3月22日(日)の夕方6時、渋谷の「東急プラザ」の前は、人で埋まった。
 49年の歴史に幕を閉じることを惜しむ人たちが押しかけたのだ。1965年6月の開業から49年、駅周辺の再開発に伴い、新たな複合ビルに生まれ変わる。
 
 2018年度に早くも開業し、地上18階、地下4階で、1階にリムジンバスなどのバスターミナルが整備されるようだ。
「渋谷ヒカリエ」は、すでに完成して地上34階、地下4階、事務所、店舗、文化施設、駐車場などがある。
 我家が代沢5丁目にあった頃は、下北沢駅まで歩いて10分、買物は駅前のスーパーですましていたから、渋谷に買物に行くことはなかった。
 それが追われ追われて、淡島の東急バスの車庫に近い、代沢3丁目のマンションに、女房と息子夫婦と、中学二年生の野球少年と住むようになったのは5年前。
 淡島のバス停まで歩いて3、4分。下北沢の駅までだと、早く歩けないので25分はかかってしまう。そうなると当然、渋谷に東急バスで買物に行くようになってしまった。
「東急プラザ」とのご縁は、それから始まった。
 
 22日の閉館の日、女房と3時頃、バスに乗って「東急プラザ」に出かけた。今日で閉館というので、多くの人たちが押しかけていた。9階のレストラン街にある、うなぎの「松川」、うなぎなんて滅多に食べられないが、最後だというので、食べに行った。
 3時過ぎだというのに満席だった。うな重は高いので、一番安いのを食べたがおいしかった。
 それから5階の紀伊國屋書店の前のカフエ「シャリマアル」。店名の意味を聞いたことがあったけど、忘れてしまった。店名でさえ覚えられないで、紀伊國屋の前にあるカフエと、待ち合わせの相手には伝えていた。
 思い出せば、このカフエでどれだけの人と出会ったことか。窓際の席からは高速道路を走り抜ける車を見渡せ、その向こう側には高層ビルの東急ホテルが見える。
 ぼくは携帯電話を持っていない。誰かと待ち合わせるときは、必ず10分前に着くように心がけている。
 取材や、株式会社「マイルストン」の井上天平君のように、山川純一の「くそみそテクニック」のいろんなグッズを作ってくれた人、復刊ドットコムの「ウホッ!!いい男たち」を製作してくれた女性、Tシャツを作ってくれた人、IKDの小松原慎人君、池田ふみさんは、ヤマジュンを各方面に売り込んでくれた。いろんな人と、このカフエで出会った。
 
 若い女性と出会ったこともあった。携帯を持たないのだから、相手の女性がくるのか、こないのか分からない。顔を見せるまでのワクワク感がたまらない。彼女が顔を見せたときのよろこびは大きい。
 いまどきの若者は、このドキドキ、ワクワク感を味わえないのだから気の毒だとしか言いようがない。
 
 相撲の千秋楽、白鵬が優勝するかどうかをテレビで見たいと思ったので、早めに帰ってきてしまったが、6時の閉館を前に押し寄せた群衆、ニュースで見てびっくり。「東急プラザ」は庶民に支持されていたのだ。東横のれん街は各地の名店がのきを連ねているが、値段が高い。「東急プラザ」の地下の食品街は、小さな業者も多く入っていて安い。魚屋のおじさんも顔を覚えていて、「ダンナいらっしゃい」と声をかけてくれる。ちりめんじゃこのおばさんも顔なじみだ。
 
 西武デパート、パルコが店を閉めたからといって、シャッターが静かに降りるだけだろう。庶民に愛されたから、多くの人が名残を惜しんだのに違いない。

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