日本はこんなに貧しいのか?
「なぜそこに日本人」タイトルもよくは覚えていないが、とんでもない貧しい国に嫁いでいる女性を取材した番組がある。
もうぼくは海外旅行どころか、国内旅行にも行けないので、テレビの画面から人々がどのように暮らしているのかを観るしかない。
女性は強い。水道もないような国で暮らしているのだから。
12月15日の東京新聞朝刊の記事が目についた。「日本の豊かさ20位・働く貧困層は8億人超え」の見出しだ。「国民生活の豊かさを示す「人間開発指数HDI」の世界ランキングでは日本が20位となり、前年の19位とくらべてほぼ横ばいだった」とある。
日本は5位の中に入っていると思ったが、韓国よりも低いとは。ノルウェーが1位、2位がオーストラリア、3位がスイス、米国は8位、ロシア50位、中国は90位、中国は金持ちと、貧しい人との差がありすぎるのだろう。
なぜ、こんなことが気になったのかというと、ぼくの住んでいるマンションは2階建で20数年前に建てられたらしい。
建てられたころは、ガスを使っての床暖房だったらしく、給湯器が大きい。ガスをつけるとゴオっといううなりがして気になっていたが、ぱったりとお湯が出なくなってしまった。
さて困った。寒なってきたので、水でシャワーを浴びれない。家主に話して東京ガスの職員を呼んでもらったが、給湯器をとりつけるのに10日もかかるという。
4、5分歩いた所に、淡島湯があって、ここは天然の温泉をつかっているという、古くからあるお風呂屋さんだ。
以前から行ってみたいと思っていた。世田谷から高齢者に無料の券をくれる。机の中を探してみたら券が出てきたものの6月で無効になっていた。
女房とふたりでタオルなどを持って、開店時間にあわせて出かけた。ああ、「神田川」の世界だ。ふたりで風呂屋に行くなんて、はじめてのことだ。
ガス、電気、水道、便利な生活をおくっていると、気がつかなかったが、お湯が出ないというだけで、こんなに困るとは思わなかった。
息子の嫁が勤めている会社の同僚の女性の話だが、ガス代を払わなかったら、止められてしまった時に、レンジに水を含んだタオルを入れて温め、身体を拭いたそうだ。
寒くなってきたので、水で身体を拭くのは辛い。レンジにタオルを入れて温めて身体を拭く。このやり方で2,3日は過ごせた。
淡島湯は450円だった。まっくろなお湯で、底は見えない。段になっているが、かなり深い。つかまるところがないから、年寄りにはあぶない。
なんとか湯船に浸かって、身体を洗おうと台の上に座ったが、その高さが10センチぐらい。わが家では、ぼくのために4、50センチぐらいの高さの台を使っている。
さて困った。ひざが悪いから、立ち上がれなくなってしまった。つかまるところがない。もがいているうちに、タイルの上に尻がのり、亀が甲羅を下にして手足をばたばたする状態になってしまった。
早い時間なのでお客があまりいない。見知らぬおじいさんが入ってきたので、助けを求めた。おじいさんが手を引っ張ってくれたので、立ち上がることができた。
女房と息子の嫁は、かなり遠くの風呂屋に行きはじめた。貧しい国の人たちのことを考えれば、ぼくは身体を拭いて過ごすことにした。
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