同性愛者は、まじでキモい!
ぼくは現在、東京新聞と毎日新聞を購読している。本当は東京新聞だけにしたいが、毎日新聞が一番経営状態が悪いと思われる。
販売店の拡張員のおじさんに同情してとりつづけている。「酒に唄えば」という連載を書いていた毎日新聞の鈴木琢磨さんが、ぼくの著書『裸の女房』をとりあげてくれた。
取材のあとで新宿2丁目のゲイバアに連れて行ってくれた。なんという名のゲイバアだったか忘れてしまったが、マスターが『薔薇族』の愛読者だったので、よろこんでくれた。鈴木さんは朝日新聞の社会部の小泉信一さんと、飲み友達だ。
鈴木琢磨さんの記事を読むために、毎日新聞を購読しているといっても過言ではない。すばらしい記事を書く人だ。
ぼくが通いつめている、カフエ織部には朝日新聞と日本経済新聞が置いてあるお客さんで新聞を読む人は少ない。
若者同士で来ても、おしゃべりしないで、お互いにネットを見ている時代だから……。
2016年5月13日の朝日新聞に、気になる記事が載っていた。
「LGBTの子 学校がつらい 暴言「まじでキモい」「風紀乱すな」…教師も」という見出しで。
先日のゲイパレードには、数千人の人が参加し、アメリカの大使も参加したという。
かつての5月1日のメーデーは、労働者の祭典で、数万人が集まり、新聞の一面で報じられたものだが、今は小さな記事しか載っていない。
アメリカのゲイパレードのように、何十万人もの人が参加するようになるには、あと何年かかるだろうか。そうなればこんな情けない記事はなくなるだろう。
「「同性愛はキモい」「近づかない方がいい」――。性的少数者に関する発言が、学校現場で少なからず出ていることが、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査で浮き彫りになった。教師が発言したり、生徒らの発言を黙認したりする例もあった。専門家は「まずは教師が研修で理解を深める必要がある」と指摘する。」
教師が研修でというが、LGBTに精通した教師になるような人が果たしているだろうか。
一昨年、東大教養学部の生徒たちの前で、話をしたことがあった。その生徒たちの感想文を読ませてもらった。
「これまで講演されてきた方は若い活動家が多かったと思うのですが、伊藤さんは戦後の偏見の強い時代において、35年も続けてこられたという点で、お話にも最も説得力がありました。
活動家にしても当事者(ゲイ)の方が圧倒的多数であるので、かなり自身の経験に即した主張をなされていたのですが、伊藤さんは真に客観的にゲイの世界を観察され、理解されていたことに敬服しました。」
男性からの感想文だが、ぼくの場合、雑誌を出しているという強みがあった。今の活動家は、ネットという武器から情報を得ているのだろう。
オナニーをしているところを電話で聞かせることによって、興奮していた読者。今のネット時代にはありえないことだ。
もう、この時代の経験は、ぼくだけで今の活動家には理解できないだろう。
「同性愛者は、マジでキモい」そう思うのは生理的なもので、この人たちにゲイを理解させることは、短い時間では難しい。
週刊朝日に、ぼくを取材した記事が2ページのるそうだ。少しずつゲイを理解してもらう努力を続けなければ。
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