お金で男が男を買うということ!
今だから書ける、地方のゲイバアの従業員からの内部告発。これは特殊な例で、すべてのバアでこんなことをしているわけではないが。
「僕は現在、ある地方都市でゲイバアに勤めています。この店はいわゆる売り専の店ではなく、お客さん同士でハントする店なのです。
でも僕たちが売られていくこともあるのです。若いお客さんはお金が自由になりません。だから店の方も、よくお金を使ってくれる年輩のお客さんを大切にするようになります。
経営者側としては上得意のお客さんに若い子をひっつけようと努力します。オクテの若い子は言うことをききませんが、ゲイバアに慣れていない子は、びくびくしていますから、マスターに仲良くしなさいと言われると従ってしまいます。
拒否する勇気もないのです。飲み物をもらうと断るのも悪いと思い、ホテルまでついていく子もいるでしょう。結局後で後悔するだろうと思います。
また、従業員をめあてにくるお客さんもいます。従業員も普通の人間ですから、好きなタイプがあります。自由恋愛もいいのですが、経営者から「店のいいお客さんだから」と言われると体を売る人もいます。本当にかわいそうです。
ゲイバアの従業員は、人形ではありません。心があるんですよ。好きでもない男と寝て、泣くに泣けない気持ちになった人がいるのでは。また、お金で男を買っても、あとに残るのはむなしさだけでしょう。
ゲイバア経営者と従業員の関係は、前近代的な雇用関係だと思います。僕たちは一日いくらという契約を結んでいるのですが、その賃金に対する以外のことも強要されています。
「お前は売れない」と首を切られた人もいるでしょう。ホモバアで働いているということで出るところへも出られないのです。僕も以前、売上を盗んだということで、調査もしないで、一方的に解雇されました。僕があとで調べた結果、マスターのミスだということが分かったのです。
これはひどい例ですが、「うちの店では付き出しを食べて、腹が痛くなっても、保健所に届けはしないだろう」というのです。
社会から偏見の目で見られているということが、彼らにとっては有利に働いているのです。私たち従業員の権利も平然と踏みにじられています。このような状態を変えていくためには、僕たちがしっかりすることと、ゲイバアを利用しているみなさんが、このような状態を許さないことが必要です。
金で男を買うことは、買った本人の心を荒廃させることであり、買われた人も最初は心が痛んだりはするが、捨鉢な気持ちになり、プロ化していくのではないかと思われます。
このようなことが行われているかぎり、ホモは解放されず、陰惨な泥沼の中で、もがき続けることでしょう。
僕たちは僕たち自身を開放するために、反道徳的な手段で男を買わない。またゲイバアで働いている従業員は、勇気をもって自らの権利を取り戻すために、努力することが必要だと思います。」
売春防止法が完全施行されたのは、昭和32年の4月1日からだ。この法律は男女の関係だけで、男対男は適用されない。今現在でも売り専の店は存在し、お金で若い男性が買われ、人権を無視され続けている。
『薔薇族』はこうしたお店の広告を載せていたから、批判することはできない。
お金で男を買う。誰が考えてもいいことではないが、必要悪だ。この問題は解決するには長い時間がかかるだろう。
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コメント
やりたい。やりたい・・
投稿: k | 2021年1月13日 (水) 12時30分
必要だ僕もやっている・許して・・
投稿: | 2021年1月13日 (水) 12時28分