« 戻ってきた『薔薇族』の中に! | トップページ | 好きです! 先輩に憧れています! »

2016年10月15日 (土)

三島由紀夫さんの幻の名作を映画化!

 竜超君から数年前に貸した50冊ほどの『薔薇族』が返却されてきた。木村べんさんの表紙絵で、1983年の12月号だ。33年も前の『薔薇族』、その頃、ぼくはすごい仕事をしてしまった。
 
 目次には「三島由紀夫の地下ポルノと伝えられる同性心中小説。『愛の処刑』大特集・薔薇族映画化・名場面集」とあり、映画のスチール写真も、カラーで14頁も入っている。
 
 今は亡き親友の國學院大學教授・阿部正路君が「切腹の美学・『愛の処刑』に寄せて」を書いてくれ、切腹の作法まで教えてくれている。
 
 「有名であるがゆえに・「親友と呼ばせてくれ」と言ったあの声が――」三島さんと出会った男絵師・大川辰次さんの短い文章は素顔の三島さんを知る、貴重なものだ。
 その号の「編集室から」は、2頁に渡っていて老眼鏡をかけ、その上、虫眼鏡で見なけりゃ読めない小さな字で詰めこんである。
 
 「近い将来には、6大都市にローズ劇場が開設されるということになるかもしれません。
 そこで『薔薇族』としても映画を企画・製作することになったのです。
 まず映画を作る上で、予算の問題、大規模のものはのぞめない。いろんな制約がありすぎるほどあるわけだから、制約の中で実現可能のものということになってしまうのです。
 僕は原作に『愛の処刑』(当時は三島由紀夫の作品であるということが不明だった)をえらんだのです。
 
 この作品は『薔薇族』が創刊されるより、10年も前に会員組織で発行されていた『アドニス』(発行数は300〜500部ぐらいと推定される)の別冊で『アポロ』に掲載された、三島由紀夫氏が書いたといわれている幻の名作なのです。
 
 切腹がテーマになっている作品なので、特殊と思われがちですが、僕は決してそうは思わないのです。
 男同士、愛の究極はこうなるであろうという説得力が見るものをひきつけずにはおかない作品です。
 
 監督をひきうけてくれた野上正義さんが、この原作を読んで、身体中がふるえたと言っています。
 脚本も、もちろん専門家に書いてもらったのですが、野上さんは原作に忠実に映画化したのです。そこにはポルノなんていうことは彼の頭の中からまったくなくなっていたのでしょう。
 
 この映画がヒットするとか、そんなことはどうでもよくて、もし、三島さんが書いたものだとしたら、三島さんによろこんでもらえる作品をと、そればかりを考えていたのです。
 
 大川辰次さんが『憂国』の映画を見て感想で、切腹をするそばにいる新妻の女性はいらないとおっしゃっています。それは美少年をそばにおきたかったに違いなのです。
 
 この映画に出て来る少年は三島さん好みではないかもしれないけれど、体育の高校の教師と、その教え子を演じてくれた二人の役者さんが、熱演してくれたことで、この映画が成功したとするならば、功績が大といえるでしょう。
 
 それと千葉県の勝浦の昔、網元だった古い家を使ったこと、スタッフ一丸となって作品に打ち込んでくれたことは、本当にうれしかった。」
 
 版権はぼくのものだが、この映画のフィルムはどこにあるのか分からない。ビデオも手元にない。もう一度、みんなに見てもらいたいものだが、どなたかビデオを持っている方はいないだろうか? お持ちでしたらお知らせください。
 
Img_3306

|

« 戻ってきた『薔薇族』の中に! | トップページ | 好きです! 先輩に憧れています! »

コメント

初めまして。ライターをしております「いするぎ」と申します。

野上正義さんと生前親しくさせていただき、その縁でこの作品のビデオを頂戴しました。

DVDにしてありますのでいつでもお貸しできます。

投稿: 石動三六 | 2016年10月22日 (土) 22時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/64287801

この記事へのトラックバック一覧です: 三島由紀夫さんの幻の名作を映画化!:

« 戻ってきた『薔薇族』の中に! | トップページ | 好きです! 先輩に憧れています! »