甲秀樹さんに出会ったことを誇りに!
親しい、新宿2丁目のゲイバアのマスターから電話があり、お客さんで人形を制作している人がいるので『薔薇族』で使ってもらえないかということだった。
早速、その人に2丁目に出向いて会ってみた。
ゲイ雑誌に人形では使いようがないので、「絵を描いてみませんか」というと、数日して何枚かの絵をもって訪ねてきた。
編集長であるぼくが決断すればいいことで、即座に『薔薇族』に載せることにした。
そして「どんどん描いてください」とお願いもした。
それがいつの頃なのか覚えていないが、300号を越した頃だったろうか。
甲秀樹さんが絵を持参してくるたびに、その作品は急速に上達していった。
あれよ、あれよと言う間に『薔薇族』の表紙絵を宇野亜喜良さんのデザインで描くようにまでなっていた。
甲さんは、中学1、2年ぐらいの少年を描きたかったのだが、もう少し年上で、筋肉のついたたくましい青年を描くように頼まざるをえなかったことは、今、考えてみるとつらいことだった。
かつての男絵師は、人物のバックを描くことはしなかった。
ところが甲さんの絵は、動物、鳥、なんでもバックに描いている。
数年の間に男絵と人形は進化し、世界一の製作者にまでのぼりつめてしまった。
海外にもフアンを増やし続けている甲さんは、美術学校を出たわけではなく、独学でここまで進化したということは、天才としかいいようがない。
「甲秀樹・作品集出版記念展」には、なんとしても見に行ってください。
『甲秀樹作品集・青い旋律』も、ぜひ、お買い求めを!
甲さんを世に出すきっかけを作ったことを誇りに思っている。
甲さん、おめでとう!
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