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2016年10月 1日 (土)

ヤマジュンとの出会いは、ぼくの運の強さ!

 ヤマジュンの劇画集『ウホッ!! いい男たち』厚さ40ミリ、全作品を完全収録した、驚くべき分厚い本の初版が刊行されたのは、2003年で、10月15日のことだ。
 
 それから、こんな高価な劇画集が、13年の間に増刷を繰り返し、1万部近くも売れたということは、多くの読者の心をとらえ、共感を呼んだからだろう。
 ヤマジュンの劇画が、『薔薇族』の誌上に掲載されたのは、1982年の10月号(34年も前のこと)に掲載された「刑事を犯れ」が最初だ。そして最後は、バラコミ2号に載った「くそみそテクニック」のようだ。
 
その中に登場してくる、ちょっとワルっぽい自動車修理工の阿部高和君、今やその名前を知らない人はいないようだ。
 阿部君といえば、大学時代からの友人の阿部正路君、國學院大學教授で『薔薇族』にも何度も原稿を寄せてくれた。今や親友というべき友人はみんなこの世にいない、なんとも寂しい。
 
 1982年の10月号。その夏の暑い日のこと、山川純一君が初めて原稿を持ち込んできた。
 その頃、わが家のとなりに平屋の一軒家があって、そこに住んでいた老婆が亡くなり代沢小の前の米屋さんが大家さんで、改築したのを事務所兼倉庫として借り受けていた。
 洗いざらしの白い半袖シャツにGパン、玄関先に立った山川純一君の姿は脳裏に残っているが、顔まではよくは覚えていない。
 なにしろ部屋の中に入らないで立ち話だから、そのとき何をしゃべったのかは、まったく覚えていない。
 名刺など持って差し出すわけはなく、どこに住んでいるのか、姓名も教えてくれない。
 彼の作品をまだ見ていないのだから、載せる載せないは、ぼくひとりの判断で決めることだ。
 劇画を誌上に載せると、16頁記事を載せるよりは、2作品載せるほうが楽だ。しかし、16頁の劇画を描ける人は、何人もいるわけではない。ぼくが彼の作品を見て、素晴らしいと思い載せたのは当然のことだ。
 スタッフの二人にも作品を載せることを納得させた。顔が長くて、髪の毛も長いのは気に入らなかったのだろうが、新しい描き手が必要だったので、そのときは反対しなかった。
 
 山川純一のペンネームは、ぼくが考えた。初めて彼が原稿をもちこんできたときに、ぼくが在宅していたからよかった。
 人間の出会いって、運、不運がある。ぼくがいなかったら、他社へ持っていったかもしれないからだ。
 
 それからはいつも現金を用意していて、原稿を持ってくると、即金で渡していた。いくら彼にあげていたのか、領収書なんてもらっていないし、覚えていないが、つつましい生活ならなんとかなったのだろう。
 
 復刊ドットコムが、女性の読者をターゲットにした『ウホッ! ヤマジュン・セレクション・やらないか』(復刊ドットコム刊・本体1800円+税)、13作品をセレクトして女性の有能なデザイナー、虻川貴子さんの装丁で、カバアが金の箔押しという豪華な本になっている。
 誰もが手元に置いておきたくなる本だ。すぐにアマゾンに注文しよう!
 
 有名な作家のよしもとばななさんに、帯に入れる推薦文をお願いしたら、すぐさま書いてくれた。
 「みんなヤマジュンになぜか惹きつけられる。きっとどこかかわいくて清らかだから」
 
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コメント

中央が男狩りの日高さんなのが最高です!
ヤマジュン作品で太陽の阿部さん、月の日高さんって感じで好きなキャラクターなので嬉しいです♂

投稿: | 2016年10月 4日 (火) 13時35分

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.itmedia.co.jp/news/articles/1609/29/news062.html

投稿: | 2016年10月 1日 (土) 18時37分

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