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2016年11月21日 (月)

「薔薇族編集長奮戦記」売れなかったが!

昭和61年(1986年)8月20日発売.『薔薇族』増刊号として出版した「『薔薇族』編集長奮戦記―心ある人にはわかってほしい」
 
ぼくの良き、頼りがいのある藤田竜くんが、あとがきに「傍らで仕事を見てきた者として」というタイトルで、ありがたい言葉を残してくれている。
 
「自分がいわば震源地であるその男たちの動きを、ホモではないから冷静に、しかし、温かく見守り続けてきたのが、編集長の伊藤文學さんなのだ。
 
編集長といっても小さな会社だから営業もする。なかなか理解されない、世界でも珍しいホモ専門誌を書店をまわって置いてくれているように頼み、書店以外の売り場を開拓し、少しずつ世間に広めていった。」
 
寺山修司くんが『薔薇族』に寄せてくれた、「世界は、おとうとのために」の詩。
今は亡き親友の国学院大学教授の阿部正路くんの「終わりのない友情の証として」と「薔薇族考」と「若葉の風」、藤田竜くんとの対談「明るいところへ出ようと歩いてきました=『薔薇族』10年の編集うら話」と、盛りだくさんだ。
 
あとは連載を続けてきた「伊藤文学のひとりごと」が、メインになっている。
 
何部印刷したか覚えていないが、八割ぐらいが返本になってしまった。
 
タイトルがズバリすぎたのか、一度読んだものは、また読みたくないということか。
 
しかし、読んでくれた人は少なかったが、中にはうれしい手紙を寄せてくれた人もいた。
 
山形市の加藤秀雄さんからの長い手紙だ。
 
「友人の結婚式のために上京した僕は、生まれて初めて新宿2丁目へ足を踏み入れ、「ブックスローズ」へ行きました。
 
そこで1冊の本の表紙が目に留まりました。
 
夕暮れの街を並んで歩く2人の青年の絵だったのですが、なぜかとても寂しそうなのが印象的でした。
 
「『薔薇族』編集長奮戦記―心ある人にはわかってほしい 伊藤文学」なんだろう、この本?
 
その一瞬のほんのわずかな心の動きでした。
 
僕は何十冊と積み上げてあった.その本の1冊を手に取ったのです。
 
それが自分の生き方を変えるまでの本になろうとは、思ってもいませんでした。
 
帰りの電車の中で早速広げてみた僕は、初めの数章を読むうちに、どんどん引き込まれていきました。
 
「結婚のこと」「家出した高校生」「風の中をひとりで」どの章も、なんと自分に身につまされた話だったことでしょう。
 
それにしても今まで何度も『薔薇族』を買いながら、一度もその「伊藤文学のひとりごと」というページを読んだことがなかったとは!
 
僕は家に帰ってからも、2、3日、時間のある限り夢中で読み続けました。
 
それはまさに15年間の『薔薇族』を全部読むような思いでした。
 
その時、初めて『薔薇族』という本が、何のためにこの世に出され続けてきたのかを理解したのです。
 
僕が何も気づかず押し入れの中に打ちやっていた本が、本当は僕の人生を照らし出そうとしてくれていたのです。
 
1冊の本を読み終えるまでに、僕はこれからどう生きるべきか、一つの道を見出していました。
 
「ホモを恥じぬこと、一度きりの人生を自分らしく堂々と生きること」
 
心の中に、今までなかった希望と勇気が沸き起こってきました。」
 
「薔薇族編集長奮戦記」は返本の山を築いてしまったが、1人でも加藤秀雄さんのような人がいてくれたということは、1冊の本にまとめて良かった。
 
ブログも心を込めて書き続けていきたい。誰かの心に触れるような。

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投稿: | 2016年11月22日 (火) 00時35分

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