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2017年1月21日 (土)

豪華なエルメスのスカーフは!

ぼくは今年の3月19日で、85歳になる。
 
過ぎてみれば、あっという間だ。
 
 
 
下北沢南口「器とコーヒーの店・織部」の店長、奥村君がぼくのコレクションの中から見つけ出した、大正時代の絵ハガキの中のニワトリ2羽を見つめる少年と少女の緩やかに時が流れているような絵ハガキを使って、年賀状を作ってくれた。
 
 
 
300枚の絵ハガキは手書きで、住所、氏名と、それぞれ添え書きをして出した。
 
1日に年賀状は届いたのだろう。
 
慌てて書いたであろう年賀状が、次から次へと戻ってきた。
 
 
 
その中の一通にショックを受けてしまった。
 
息子さんからのもので、「昨年10月に、母 深井美奈子が、79歳にて永眠いたしましたので、年始のご挨拶を失礼させていただきました。」
 
 
 
美奈子さんは、ぼくと、後に国学院大学教授になった故・阿部正路君と、各大学の短歌の愛好者を集めて大学歌人会を結成し、2人で運営していた。
 
美奈子さんは、渋谷の実践女子大学の国文科の学生で、大学歌人会の最後の頃、入会したようで、あまり記憶に残っていない。
 
 
 
ぼくの古いアルバムの中に、大学歌人会の仲間たちと、小田急沿線の柿生の丘(今は民家が立ち並んでいる)の、雑木林を散歩している写真が残っていた。
 
草の上に座って、15人ばかりがひと休みしている写真だ。女性も半分ばかりいるが、男子学生の角帽をとりあげて、ちょこっとかぶっている、ふくよかな笑顔の女性が美奈子さんだ。
 
ぼくはこの少女が美奈子さんだと、ずっと思い続けていて、今もそう信じている。
 
 
 
美奈子さんは母親に勧められて、子供の頃から短歌を作りだし、すでに5冊もの歌集を出版し、2015年にそれらを1冊にまとめて全歌集を出版することになった。
 
美奈子さんの第4歌集『藤の飛瀑』に、著者近影とあって、写真が載っているが、学帽をかぶった、おちゃめな少女とは、どう見てもつながらない。
 
考えてみれば50数年も時を経ているのだから、誰しもが変わってしまうのは当然のことだろう。
 
一緒に写っているぼくにしても、ガリガリにやせていて、今の体重の半分ぐらいしかない。
 
それに髪の毛もふさふさしているが、今は薄くなったというより、無くなってしまっている。
 
それだけ長い時間が過ぎ去ってしまった。
 
 
 
ぼくは現実に恋人ができてしまったら、妄想でつくっていた短歌が馬鹿馬鹿しくなってきて、早々に作歌をやめてしまった。
 
今でも続けている大学歌人会の仲間のひとり早稲田大学国文科卒の篠弘君は、「毎日歌壇」の選者になり、宮中のお歌所の選者にまでのぼりつめている。
 
 
 
美奈子さんが第5歌集『花奮迅』を出版したとき、何か書いたことを覚えている。
 
ぼくがお節介役で、渋谷の中華料理店「白鳳」で出版記念会を開いたが、その時、お会いしたのが最後だった。
 
 
 
おじいさんも、お父さんも、ご主人も、息子さんもお医者さん。
 
めぐまれた家に育っているから、お金に苦労したことはなかったのだろう。
 
作られた歌は、優雅な王朝貴族の作品のようで、華麗な絵巻物を見ているようなものばかりだ。
 
 
 
2015年に5冊の歌集をまとめた『深井美奈子全歌集』豪華な歌集だ。
 
「ぼくの心の中で光り輝いているもの」と題して、ぼくに書かせてくれた、第1歌集『花光珠』粗末な本で、針金綴じ、そのさびた針金が、ぼくの心の中で光り輝いていると。
 
そのときのお礼にと頂いた豪華なエルメスのスカーフ。
 
女房のたんすの中に、しまわれたままだ。

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コメント

お誕生日、おめでとうございます。
益々ご健康に恵まれ、素敵な素敵な日々となりますように。エミ

投稿: エミ | 2017年3月19日 (日) 13時47分

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