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2017年2月11日 (土)

三島由紀夫の『禁色』は、ゲイ文学の最高峰!

『薔薇族』の読者は、知識人が多かった。
 
大学の教授などには、何人もお会いしたことがある。
 
 
 
1997年11月号に偶然見つけた「三島由紀夫と名古屋大須の「あいまい」屋」と題する桂たかしさんの3段組み6ページにも及ぶ一文は、三島さんを研究されている方には、ぜひ読んでもらいたい。
 
桂さんという方、いったい何者だろうか?
 
全文を紹介したいが、このブログを5・6回書き続けても書ききれない。
 
 
 
「三島由紀夫が壮烈な死を遂げて、この11月で17年になる。
 
昨年は17回忌ということで、いくつかの催しがあり、三島について書かれたものも、短い文章を加えると、30種以上のものが、新しく刊行された。
 
猪瀬直樹の『ペルソナ』が、新しい視点から三島像を描いて話題となったが、それもこれまでの論評をくつがえすほどのものではなく、17回忌を期して、三島作品を再評価させ、現代の若者にアッピールしようと図ったようだが、全集など、全く売れず、盛り上がらなかった。
 
 
 
三島の作品で刊行数のもっとも多いのは、文庫本を含めてだが『潮騒』である。
 
何回も映画化され、テレビドラマ化され、そのたびに川端康成の『伊豆の踊子』と同じように発行数を増やしている。
 
多くの人に読まれたナンバーワンの作品と言えるだろう。
 
 
 
『禁色』という作品がある。
 
昨今、よく出版されるゲイ文学作品とも言えるだろう。
 
しかし作者三島が、ゲイであるとカミングアウトして、発表された作品ではない。
 
たくみに装色された小説であって、作者がゲイであると断定はできない。
 
ゲイ文学として考えれば、『禁色』をしのぐ作品は、残念ながら日本には出現していないと思う。
 
私は『禁色』を、ゲイ文学として俗な読み方で読む。
 
 
 
美に固執する老作家と、主人公のアポロンの如き肉体と、ギリシャ彫像の美形を持つ悠一との、海辺での出逢いは、三島も意図したことだろうが、トーマス・マンの『ヴェニスに死す』のヴァリエーションであり、その悠一をめぐる男たちの愛は、男同士の愛欲を、さまざまなパターンで描いて、興味深いものだ。
 
 
 
当時ハッテン場として男たちがよく集まっていた。
 
日比谷公園で知り合った少年とも言える若者との情事、上野動物園で親しくなる稔少年との付き合い、これは稔を愛し犯していた養父により、悠一の妻に密告され、波紋を広げるのだが、これも当時、養父に犯されて自殺未遂をした少年の事件が、三面記事で報道されて、ホモバアの話題となったものを、作者がアレンジしたものだろう。(蛇足を付け加えるなら、羽仁進監督の『初恋地獄編』という映画でも、この事件はとりいれられている。)
 
悠一のナルシズムを利用して、鈴木男爵の言葉たくみな誘惑で犯されてしまう白眉といえるシーン。
 
悠一を自由にしてみせると、ホモバア『ルドン』のマスター、ルディと賭けをして勝つという仕掛けまで用意されている。
 
『ルドン』は、三島がよく出入りしていた、銀座小野ピアノビル横にあった『ブランズウィック』をモデルにしたものだろうし、マスターのひげのケリーが、ルディであろう。
 
その店には、野坂昭如や、美輪明宏が、若き日に、ボーイとして働いていたが、火災で消失してしまった。
 
客とマスターやボーイ、客同士の会話などホモバアの描写は、実にうまくスケッチされている」
 
 
 
これから面白くなっていく。
 
あと何回か続けよう。
 
それにしても手元に『禁色』はあるが読んでいない。
 
なんということだ。

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コメント

 こんにちは。

 私は、60歳です。 三島由紀夫の「仮面の告白」と「禁色」は、セットだと思っています。 時々、出して来て読んでいます。 「禁色」は、映画か何か俳優さんを使って実写化の構想があったと聞きました。

投稿: なみへい | 2017年2月11日 (土) 17時24分

三島は、この長編小説を書いたことを後悔していたようです。
最近、某男優が演じたいとテレビ番組で言ってました。
遺族が認めないでしょうけど。

投稿: | 2017年2月11日 (土) 03時55分

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