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2017年4月 3日 (月)

残り少ない人生を男の世界で!

「私が『薔薇族』を知ったのは12年前の夏だった。
 
夕方ぶらっと街へ出て、何気なく書店で本を引き抜いて手にとって見た時、美少年がふんどしをもっこり盛り上げているイラストに、思わずごくりと唾を飲み込んだのでした。
 
裏にはこれまた男性美あふれる三島剛さん描く毛むくじゃらの男!
 
パタンとページを閉じて、レジへ向かう時、53歳の私の胸は早鐘を打っていました。
 
 
 
幸いに店員さんは無表情に、カバアを付けて渡してくれました。
 
急いで家に帰り、自分の部屋の鍵をかけて、グラビアをむさぼるように見たのでした。
 
 
 
妻は私よりも3歳年上でしたが、娘に孫が生まれると、私をひとり置き去りにして娘のところへゆき、3ヶ月も過ごしてきました。
 
 
 
その夜、久しぶりに妻を抱きました。
 
妻も3ヶ月も留守にしていたので、仕方がなく私のなすがままにしていましたが、一向に燃える気配もなく、「さあ、早くして終わってほしい」という素振りがありありと見えました。
 
私はいきり立つものに、つばをつけて妻の上にのり、定めた位置にあてがって、腰をつき出した妻が、「ああ、お父さん、痛い、やめて」私はその言葉を聞かぬふりをして、腰を使って、溜まっていたものを一気に放出しました。
 
 
 
妻から離れてひとり精液にぬれた己のものを拭いていると、妻が「お父さん、お願いがあるの、私はもうセックスする気にならないの。孫の顔を見て過ごした3か月、楽しかったのよ。もう私たちも孫のいる歳になったんですもの…セックスするのやめましょうよ」
 
私は妻の言葉に、まじまじと顔を見た。(中略)
 
私はこの時、はっきりと夫婦がもう冷え切っている事を悟りました。
 
 
 
そんな時に『薔薇族』と出会ったのでした。
 
告白手記、小説、そして呼びかけの声、どれもこれも初めて知る未知の世界でした。
 
男同士が愛し合う、しかも、お互いのペニスを舐め合い、そして精液を放出してのセックス。
 
さらに愛が深まれば、お互いの肉体の中へ入れ合うセックスを知ったとき、私は驚きと喜びの入り混じった複雑な気持ちでした。
 
そのときふと、戦時中に兵隊同士が、弾の降る戦場で、今宵限りの命と思って、男同士でマスをかいたり、尻の穴へ入れたりして快楽にふけったことを小説で読んだことを思い出しました。
 
それからというものは、ハッテン場へ行き、年下の男をハントしてはふたりっきりの部屋の中で、男の宴を開きました。
 
 
 
ドロドロの愛の中に真実を見つけたとき、私は長い間の夫婦生活の中になかったものを体得しました。
 
私はよろこびに打ち震えました。
 
残り少ない人生を男の世界に生きていこうと決心しました。
 
 
 
上野のスナックにも通いました。
 
今度はどんなパートナーに会えるかと胸をときめかせてドアを開けるときの心境は、たとえようもなく新鮮で、私いっぺんにタイムトンネルの中を走り抜けて、若い頃に思いを馳せて、若返り、ハツラツとして人生がまさにバラ色になりました。
 
相手が女だと妊娠ということもありますが、相手が男なのでそんな心配もいらず、心ゆくまで自分の気の向くまま、思いっきりやりたいことやりながら今日を迎えました。
 
 
 
私は65歳、年金生活ですが、アパートを経営していますので、贅沢さえしなければお金に困ることはありません。」
 
 
 
この人、堅実な仕事をしてきたのだろう。
 
奥さんも幸せ、アパートを経営していて生活にも困らない。
 
羨ましいような生き方ではないか。
 
『薔薇族』読者の優等生だ。

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