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2017年7月 1日 (土)

ドクターと呼ばれる顔にホモの?

川柳って、その時代の庶民の生活を反映させている。
 
1955年7月号(今から62年前)の『AMATORIA・あまとりあ』(あまとりあ社刊)が、書棚の中から見つかった。
 
この雑誌、第5巻とあるから、1950年・昭和25年頃に創刊されたのだろう。この時代、多くのエロ雑誌が創刊された。敗戦後、まだ5年しか経っていない頃だったからひどい時代だった。
 
ぼくは小さい出版社が生き残るにはエロ本しかないと「ナイト・ブックス」を出した第1号が、武野藤介さんの『わいだん読本』だった。昭和37年12月のことだ。まったく面識のない武野藤介さんを吉祥寺に訪ね、出版をお願いした。
 
その後、武野さんの本を何冊か出し、親しくなり、息子さんにお嫁さんを紹介したこともあった。
 
西荻窪駅のレストラン「こけし屋」で催される中央線沿線に居住する文化人が集まり、「カルヴァドスの会」の年末に開かれる宴会に先妻の舞踊家、ミカを余興に会員である武野さんが推薦してくれて、踊りを見せたことがあるから、武野さんは忘れられないお方だ。
 
『あまとりあ』の裏表紙に、武野さんの著書の広告が3冊も載っている。人との出会いって不思議なものだ。
 
 
 
『あまとりあ』の誌上に「現代風俗川柳傑作選」という投稿ページがあり、選者は岡田甫(はじめ)さんだ。
 
「天」に選ばれた句は、徳島の杉原芳水さん。
 
  男娼に頼まれて買う女下駄
 
「新奇な思いつきを採る」と、選者は書いているが、男が女下駄を買うのは恥ずかしい。女性に頼んだというところが面白い。
 
「地」は、これは驚き。『薔薇族』の読者は、肛門にいろんなものを入れて楽しんでいたが、入れたはいいが出せなくなってしまって、電話をかけてくる人がいたが、女性がオナニーをするのに、電球を使ったとは。割れたらケガをしてしまう。にんじんとか、きゅうり、なすぐらいにしてもらいたいものだ。
 
  電球(たま)割った話が彼の腑に落ちず
 
神戸市の田中富美子さんの句だ。選者はこんなことを書いている。
 
「女性のオナニーは、男性の想像もつかぬものを使用するとか。昔女学生が電球を使用し、それが割れて大ケガをした話は有名だ。」
 
この時代は「ラブオイル」もないし、オナニー用の用具も進化していない時代だから仕方がなかったのだろう。
 
 
 
秀逸欄には、こんな句も。
 
  ドクターと呼ばれる顔にホモの影
 
『薔薇族』の顧問ドクターだった、三原橋の医院の先生の顔がまず頭に浮かぶ。お医者さんも読者に多かった。
 
  男娼のハンドバックに脱毛剤
 
今なら「ラブオイル」も入っているのでは。
 
  間違えた電車のように鶏(とり)に下りる
 
北海道の比沙婆さんの句。鶏の交合って、そんなに早いのか。見たことないな。せせらぎの桜並木を散歩していて、初めて雀の交合を目撃したけど、メスのあとを何度もしつこく追い回していたっけ。
 
  こんなにも簡単なものオロシて来
 
東京の山北残月さんの句。女性が妊娠して堕胎するという大変なことを、こうも簡単に句にされてはやりきれない。
 
下北沢の北口にあった木造の汚い医院。母も堕胎したこともあり、親類の人、知人も紹介していたっけ。当時は法律で禁止されていたのでは。暗い話だ。
 
  珍毛がたまって頭薄くなり
 
芦屋の楠南坊さんの句。珍毛蒐集癖の男の話。長い時間をかけて珍毛を集めているうちに、自分の頭が薄くなってしまう。人生の悲哀を感じさせる。川柳って面白い。

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