« 尊敬していた小学校の先生が! | トップページ | 老後をどう生きたらいいのか! »

2017年10月28日 (土)

『薔薇族』はポルノ雑誌ではないと!

「手が痛くなるくらい拍手を送って、ぼくが賞をもらったようにうれしかった! ―名古屋モード学園のファッション・ショーに出席して 伊藤文学」
 
1983年4月号に載った見出しだ。1月31日の毎日新聞の朝刊に、こんな記事が載っている。
 
「ファッションの専門家を養成する名古屋モード学園(谷まさる学園長)が30日、名古屋市民会館大ホールで「第15回ファッション・フェスティバル」を開いた。
 
同学園ファッションデザイン学部2年の学生140人が参加、テーマ別にデザイン・センスと技術をショー形式で発表する催し。
 
今回のテーマは「マガジンを着よう」。現代には若者たちの心をとらえるさまざまの雑誌が出ているが、それらを自分の感性でデザイン化。
 
第1部の男だけの本『薔薇族』から始まり、『ザ・テレビジョン』『スタッフ』『ウータン』『フォーカス』『遊』など第18部の『詩とメルヘン』まで、あっと驚く大胆なセンスの作品、140点が登場」とある。
 
 
 
「舞台に駆け登りたかった。ヤッた! 『薔薇族』をテーマにした8人のグループによる作品が、グループに与えられる賞のグループ賞に入ったのだ。そして個人賞も『薔薇族』をテーマにした作品で、増田容子さんがモード賞を獲得し、他のほとんど賞も独占してしまったのだ。
 
ぼくが賞をもらったようにうれしかった。手が痛くなるほど拍手をおくった。わざわざ名古屋まで来てよかった。なんとも言えない感動がからだの中をかけめぐった。本当にさわやかな感動だった。
 
たかが一学園のファッションショウでというかもしれない。確かに18の雑誌を学生たちが選んでくれたわけだが、18の雑誌の編集長、いや、編集者が一人でも、東京からわざわざ名古屋の「名古屋市民会館」に来ただろうか。誰ひとり見には来まい。でも、あえて『薔薇族』の編集長であるぼくはこの会場に来たのです。
 
来てよかった。ひさびさの心地よい感動でした。『薔薇族』をテーマに選んだのは、昼間に仕事を持っている夜間部の学生(男1人と女7人)8人によるグループなのです。
 
秋のころに話があって、資料を学生たちに送ってあげました。電話でも何度も話をしました。そのなかの女の子が編集部に尋ねてもきました。
 
そして、ぜひ見にきてくださいと言って帰っていったのです。その熱心さに、なんとして行ってみようと心に決めていたのです。(中略)
 
 
 
本屋の片隅で売られている雑誌は『薔薇族』だけ。早く言えばポルノ雑誌なんだから、桜田門に4回、お世話になっているし、5回も始末書を書かされているし、罰金も50万も払っている。そんなことがぼくの心の中を去来するのです。(中略)
 
学生たちは薄汚いポルノ雑誌だとは決して考えていないでしょう。ほとんどが女性だから『薔薇族』は美しく、そしてカッコよく映ったに違いないのです。
 
ぼくは雑誌を作るにあたって、いつも思うことは「気品を!」ということです。少しでも美しく! と心がけてきました。
 
近所の小さな喫茶店で、まずいコーヒーで乾杯して、興奮を冷ましたのです。布が厚くて針がみんな折れてしまった。指が傷だらけになってしまったと、1人の女の子が指を見せてくれました。
 
打ち上げの会が始まるまでの短い時間をわざわざ見に行ったぼくに感謝して集まってくれたのです。」
 
 
 
『薔薇族』はたんなるポルノ雑誌でないことを若者たちが証明してくれた、うれしい夜でした。
 
C
パリで一番古いデパート「ボンマルシエ」のカード

|

« 尊敬していた小学校の先生が! | トップページ | 老後をどう生きたらいいのか! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/65968466

この記事へのトラックバック一覧です: 『薔薇族』はポルノ雑誌ではないと!:

« 尊敬していた小学校の先生が! | トップページ | 老後をどう生きたらいいのか! »