« まれにみる多才な人なのに! | トップページ | 『アドニス』は『薔薇族』の原点だ! »

2018年2月26日 (月)

時は流れていき、人はいつまでも若くいられない!

すべてを無くしてしまった内藤ルネさん。三度も自殺しようと思ったができなかった。ルネさん、ぼくにこんな言葉を残してくれていた。
 
 
 
「人の一生には山や、谷や、川や、海があるように、その折々にいろんな人とのめぐり逢いがある。
 
末永い友人でいてほしいと願った人であっても、縁がなくて、疎遠になってしまうこともある。その反対に伊藤文学さんとは、仕事関係でお会いしたとき、ずっと以前から知っていた人のように、なつかしい人だった。
 
水の流れのような自然な、この友情がこんなに長く続けられるとは、思ってもみなかっただけに、私にとってただひたすらにありがたいことである。
 
何よりも伊藤さんの水や空気のように、いつも変わらぬこの友情は、おだやかで静かで、思いやりのあるあたたかい人柄のためで、今では私の数少ない心からの友となった。
 
その文学さんがいつもカラッと底抜けに明るい夫人のくみちゃんの古里に、二人のためといっていい、美術館を開館されることになった。
 
まさに人徳がなければ実現できないことで、知らず知らずのうちに、誰をも分けへだてなく包みこまずにはおかない、お二人のあたたかい人柄を神佛は知っておられて、力を貸してくださったに違いない。
 
時は流れてゆく、残念ながら人はいつまでも若くはいられない。この人生のまさに実りのときに、このような人々を楽しませてくれる美術館を建てることの出来た伊藤さんの大いなる幸福を心をこめて祝福し、この「ロマンの泉美術館」が末永く人々に愛され続けることを深く祈らずにはいられない。
 
伊藤さん、久美子さん、この上は何よりも健康であるように。心はいつも青春で。より多くの人々にお二人の幸福をいっぱい分けてあげてください。」
 
 
 
ルネさんのコレクションしているアンティークのお人形を「ロマンの泉美術館」にずっと展示したこともあったので、ルネさん、何度か弥彦村に来てくれたこともあった。
 
 
 
「人生ってとんでもないことが突然おこるんですね。
 
1990年代の初頭、バブルのときにまったく信じられない事件が私の上に降ってきて、今の金額にして、7億以上のお金を5人の男と、ひとりの女に次々と持っていかれ、その上に自分のマンションまで持っていかれ、すっかり疲れきって、自殺も3回考えました。
 
もう生きてゆくことに絶望していたとき、信じられないことに、いろんな関係のあった私の大切な会社たちも、すっかりバブルにまきこまれて、仕事もなくなってしまったのです。(中略)
 
私の絵の生活が人生で初めてストップして、何もどこからも仕事がこなくなってしまったとき、『薔薇族』の表紙絵の仕事を伊藤文学さんから頼まれたときのオドロキ。それもセクシーこの上もない男の子たちの絵!
 
オドロキましたね。しかし、まったくありがたく、うれしかったですよ。そしてわが人生、初めてのセクシーボーイズを描くことのこの上ない楽しさと、うれしさをこのとき知りました。
 
それからの楽しさ、恐ろしい事件も『薔薇族』の表紙を描くことでまったく忘れることができたのですよ。」
 
 
 
3回も自殺を考えたルネさんが、『薔薇族』の表紙絵を描き続けることで、立ち直ってくれて、ぼくとしてもよかったなと……。
 
ルネさんの表紙絵の『薔薇族』を見たい、欲しいと思っている人がいっぱいいるなんて。
 
A
イラスト・内藤ルネ

|

« まれにみる多才な人なのに! | トップページ | 『アドニス』は『薔薇族』の原点だ! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/66433267

この記事へのトラックバック一覧です: 時は流れていき、人はいつまでも若くいられない!:

« まれにみる多才な人なのに! | トップページ | 『アドニス』は『薔薇族』の原点だ! »