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2018年5月 7日 (月)

藤田竜さん、ひとりで作った『薔薇族』

「編集室から」に藤田竜さんはこんなことを書いている。
 
「ホモは明るい場所に出られないかもしれない。しかしホモを明るく考えることで、ホモの人たちの気持ちを楽にすることは出来るだろう。そういう考えで伊藤さんと僕は『薔薇族』をスタートさせました。
 
性の特殊なジャンルを扱う雑誌は、ほとんどが末端神経を刺激するだけのものでしかありませんでした。それはそれで閉鎖社会においては性の代行為として意義のあることだし、広い層の読者をつかむのに一番簡単なのかもしれません。
 
従ってどうしても低俗になりがちだし、読者の気分も陰湿になってしまう。その後ろめたさが美学になるという人もいます。
 
でも、僕たちは違う方向を探って、どうにか支持していただけて今日まできました。
 
下卑させなくても広く受け入れられていることを嬉しく思うのです。」
 
 
 
この号は1975年・1月号・No.24、創刊して4年目になる号だ。
 
才人、藤田竜さんが責任編集ということで、すべてをひとりでやってのけた。
 
表紙絵も内藤ルネさんかと思ったら、藤田竜さんだった。
 
しばらくぶりに目を通してみて驚きだった。
 
こんなに格調高く、気品に満ち溢れた雑誌が、のちに発禁になるとは考えられない。
 
A
 43年前の『薔薇族』1月号
 
写真は「十九の春」と題する波賀九郎さんの特選写真集。迫力が伝わってくる見事な男の裸像だ。
 
撮影場所がなんと新築したばかりの我が家の3階、16畳の床の間。掛け軸が飾られているが、その書が魯山人のものではないか。本物だとしたら大変高価なものだが、今はどう処分したのかない。
 
執筆陣がすごい顔ぶれだ。
 
詩人の高橋睦郎さんの「少年愛をかんがえる」、内藤ルネさんの「軍服」、イラストが宇野亜喜良さん、冨田英三さんの「ある愛の軌跡=みどりは綺麗な青年だった……」
 
小説は楯四郎さんの「男色忠臣蔵」。この方はNHKのアナウンサーで、東都名物、浅草十二階・凌雲閣が関東大震災で、崩れ落ちたが、同時に崩壊する男たちの恋情を描いた「浅草怨念歌(あさくさうらみうた)」は、単行本になり、アメリカでも翻訳され本になった。
 
その本を手にして、定年間際でガンで亡くなられてしまった。
 
多くの名作を残してくれた忘れられない人だ。
 
笹岡作治さんの「百姓哀歌」、平野剛さんの画集『男と男』も、すね毛も1本、1本、描いたような男の匂いぷんぷんの力作だ。
 
 
 
さて、この号の最大の読み物は、藤田竜さんと、四国の松山に住む純情青年・峻と、藤田竜さんとの手紙による何とも言えない哀切な別れとなる不思議な物語だ。
 
真ん中へんに27ページも使って、ピンクの色上質の紙に印刷され、イラストは長谷川サダオ君の力作で、8点も使われている。
 
 
 
内藤ルネさんがぼくによくこぼした言葉は、竜さんに相手を思いやる気持ちがほしかったと。
 
竜さんは『風俗奇譚』というSMの雑誌にエッセイなどを書いていたようだ。
 
どんなことを書いていたのか読んだことがないので、内容は分からないが、松山に住む大学生がそれを読み、感動して竜さんを愛するようになってしまった。
 
タイトルは『海から来た青年は薔薇の歌とともにどこへ行ってしまったのだろう』
 
『バラが咲いた』の歌が流行していた頃の話だ。
 
竜さんは青年の慕情をもてあそんでいたようで、最後はどこに行ってしまったのかわからない。
 
読者はこの青年の数々の手紙に哀れみをもって感動したようだ。
 
こんなに反響のあった読み物はなかった。
 

B

読者の反響がものすごかった!
 
ぼくの「伊藤文学のひとりごと」は、この号から始まった。
 
タイトルは「結婚のこと」。いいこと書いてる。
 
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コメント

藤田さんが、他雑誌経由で松山の大学生とやりとりした手紙の思い出を薔薇族に書いたのは『松山からの書簡』というようなタイトルでした。大学生からの相談事に藤田さんがまじめに答えていて、良い内容でした。大学生は国立大学生のようで、学内の健康診断で医師と看護婦の前で陰部まで検診されるのがいやだと相談してました。その頃の国立大学は、学生が嫌がることをしていたのですね。薔薇族発刊以前の頃の話です。

投稿: | 2018年5月18日 (金) 23時46分

文学様
さっそくヤフオク延長ありがとうございます。
こちらを是非購入したいと思っておりますのでご確認ください。

投稿: | 2018年5月10日 (木) 13時06分

 
 『風俗奇譚』はSM雑誌というよりオールジャンルの雑誌で、薔薇族以前の唯一の実質的なゲイ雑誌といえるでしょう。読者間の手紙の回送サービスも、風俗奇譚を薔薇族が参考にしたのでしょう。執筆者も、両誌でダブっています。
 藤田さんが薔薇族の実質編集長だったのですね。薔薇族を発行していた伊藤さんは、ご自分がかかわった記事以外は、薔薇族の他の記事内容をほとんど読んでいなかったようなのはオドロキです。ノンケの伊藤さんには興味なかったのが正直なところでしょうね。、

投稿: | 2018年5月 9日 (水) 23時22分

>2018年5月 9日 (水) 13時19分 投稿者様
 
コメントありがとうございます。
 
もうしばらく出品期間を延長いたしました。
 
どうぞご検討くださいませ。

投稿: 管理担当 | 2018年5月 9日 (水) 22時52分

文学様

わたしは薔薇族創刊当初には、まだ生まれておりませんが当時の想いなどを知ることができ、いつも楽しみに拝見しております。

ところで現在ヤフオク出品中の薔薇族を購入検討しております。もう少し期間を延ばしていただけますか?

投稿: | 2018年5月 9日 (水) 13時19分

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